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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第五十七章 解放《2》
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「お前はお前なりに考えてここにいるんだろうけど。やっぱ嫌だよ、俺はお前と一緒にいたいからさ」
 差し伸べた左手を戻し、向けられた奏鳴の背中に向かって言う。
 返事は無い。
 何も言わない奏鳴に向かい、困りながらも続けた。
「お互いにまだ知らないことだらけだからさ。何考えてるか、何思ってるか分からないけど。何時かは理解し合える仲になれたらと思ってる」
 頷きを入れ、
「生きることの、何が不安なんだ」
 セーランの問いに奏鳴は答える。
「別に不安など無い」
「ならなんで」
 問い、答えを待った。
 自分の口から言い出すのを、何も言わずにセーランは立っている。
 二人の間を流れる沈黙。
 静かな空間のなかで、そっと奏鳴が口を動かした。
「私は殺人者だ。家族を殺し、黄森の者達を殺して。また何時か誰かを殺してしまうのではないのかとそう思うと、辛いのだ」
「なら来いよ、日来に。俺がお前を守ってやる」
「竜神の力は強大だ。暴走してしまったならば、お前では抑えられない」
「心配すんな、やってやるからよ。暴走からお前を守るからさ」
 口調は柔らかかった。
 まるで小さな子どもを相手にしているようなら、そんな感じだ。
 まずこちらの言葉に耳を傾けさせる必要があるため、あえてそうしたのだ。が、奏鳴は反論するかのように、
「なら何故、お前は私の元へと来なかった!」
 急に振り返り、セーランの元へと迫った。
 背丈はセーランよりも奏鳴の方が小さいが、動揺せずに目の前へと行く。
 見上げる形で言葉を飛ばした。
「口ではなんとでも言える。守ってやるとも、救ってやるとも。だがお前は……私の元へは来なかったではないか」
「すまなかった」
「私にとってお前は日来長という存在でしかない。仲間でも知り合いでも、ましてや友でもないのだ」
 空気を変えようと言った一言だが、現状が変わることはない。
 奏鳴は今まで以上に口を動かし、自身の意思を表に出した。
 子どものようだと解っている。それでも、これまで貯めてきた思いを吐き出さずにはいられなかった。
「お前には解らない。私はもう一人なのだ。寄り添える者は、私にはいない。今まで皆に迷惑を掛けてばっかりだった。
 だからせめて、最後は迷惑を掛けたくはないのだ。この騒動も私が解放されれば解決することだ。もうお前の仲間達に大人しくしていろと伝えてくれ。十分に私は生きた。もう大人しく寝かせてくれ」
 これを聞いたセーランは、拳を強く握り締めていた。
 自分がしっかりしていないばかりにと、心の内で自分自身を罵倒していたのだ。
 自らがもたらした結果がこれだ。
 もっと早く行動していればと後悔するが、今はその時ではない。
「すまねえけどそれ無理だわ。俺はお前と生きたい。だからお前は生きなきゃな
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