マザーズ・ロザリオ編
挿話集
ダンジョン・デートA
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はレイの存在に気が付き向き直ろうとするが、事前にそれを『観の目』によって察知したレイは既にその死角となる位置に移動していた。
「占領したなら次はそれを奪われ無いよう、攻め続けろ。既に陣地を盗られた相手は見え見えの反撃しか出来ないから難しい事は考えるな」
大太刀の一撃が障壁を突破する。素早く上位ソードスキルを発動し、龍に強烈な斬撃を叩き込む。
「グオオオオォォォォ!?」
一気にケージを5割も削ってユウキの元まで後退した。
「できるか?」
「……やってみる」
マッサカー・エンペラーが倒れたのはそれから10分後の事だった。
ユウキは俺の落とした小太刀を拾って《二刀流》ならぬ《双剣》を自ら生み出しあっという間に障壁を突破すると、ぶっつけ本番で《剣技連携》まで成功させ、龍を翻弄した。
(………………)
地上や空中を軽やかに舞い、二刀を閃かせるユウキを眺めながら俺は感心し、同時に恐れた。
その昔、キリトを始めとする何人かの人物に抱いたのと同種の恐れ。
「茅場、あんたは……」
いったいどこまで見据えていたのだろうか?
気味が悪いくらい全てが噛み合っている今の現状。運命とでも言うしかない、数奇な『流れ』に俺は何か底知れぬモノを感じていた。
龍がポリゴン片に変わり、クエストのクリアを告げるウィンドウが目の前に現れる。
その先ではユウキが自分の手に収まった白銀の剣をしげしげと眺めていた。
〜おまけ〜
「あー……ユウキ、マジでやるの?」
「……ボクもちょっと恥ずかしくなってきた」
クエストのエピローグ(龍は再び封印され、云々……なオチ)が終わり、俺はボスの部屋に入る前にユウキと約束したとある『儀式』を往生際悪く渋っていた。
ここはボス部屋と言っても無駄に凝った造りの『教会』でもある。そして、教会で男女がやる儀式と言ったらアレしかない。
「……まあ、やるだけやるか。どうせ……」
―――『どうせいつか現実でやるし』
とは小心な俺は口に出来なかった。
「………………」
が、ユウキは何となくその続きを察したのか羞恥の感情エフェクトの段階を上げていた。
そうゆう訳で…………
「水城螢、汝は、ボクを妻とし。
良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も。
共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かとうとも、その魂が尽きる時まで。
愛を誓い、妻を想い、妻のみに添う事を誓いますか?」
ユウキが結婚式定番の文句(よく覚えてるな……)を言う。
本来は神父さんだか牧師さんが言
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ