第十九話「姦しい二人」
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いくわ。それでどうかしら?」
「むむっ」
「それとも自信ない? リシャルト君が取られちゃうのを大人しく見てるのかしら?」
「くっ……いいわ。受けて立つわよ!」
言い合う二人を尻目に溜息をついた俺は席を立った。
これ以上付き合っていられん。
疲弊した心の癒しを求めてエストたちの元へ向かう。
「どうしたのですかリシャルト?」
「にゃあ?」
猫じゃらしを手に首を傾げるエストと、ペチペチと猫パンチを繰り返していたスカーレットがつぶらな目で見上げてきた。
「いや、なんでもないさ」
エストのサラサラの銀髪を梳き、頭を撫でる。
「ふああ……リシャルト、くすぐったいです」
くーっと気持ちよさそうに目を細める契約精霊に顔が綻ぶ。
腰を下ろしてあぐらをかき、ひょいっとスカーレットを持ち上げて膝の上に乗せる。そのまま頭から背中にかけて優しく撫でた。
手触りのいい毛並みだ。
「にゃぁぁぁ〜……」
気持ちよさそうに鳴くスカーレット。その隣でエストが頬を膨らませた。
「むぅ、スカーレットばかりズルいです。エストにも撫で撫でしてください」
俺の隣に腰を下ろし、んっと頭を突き出してくる契約精霊に苦笑する。
「わかったわかった。ほら」
左手でスカーレットを撫でつつ、右手でエストの頭を撫でる。
相変わらず表情に然したる変化は見られないが、どこか満足げな様子だ。
「エストは甘えん坊だな」
「リシャルトの手は心地良いのです。胸の辺りがポカポカします」
そういえば、妹も似たようなことを言っていたな。撫でられると胸がほっこりすると。
俺には相手の心を落ち着かせる何かがあるのかもしれない。
しばらく精霊たちと和んでいると。
「ちょっとリシャルト! なに一人我関せずって態度とってんの!」
「そうよ、当事者の一人でもあるのだから。こっちに来て」
「はぁ……わかった」
ぷんぷんと肩を怒らせる二人に腕を引かれ、テーブル席に座らされた。
エストも後ろからついてきて、なぜか俺の膝の上に座る。
「なっ……」
「あら……」
目を吊り上げる二人。エストが膝に乗ってきたのは初めてだ。
「どうした?」
「いえ、リシャルトの膝に乗ってみたかっただけです。……ダメでしたか?」
珍しく不安そうな目で見つめてくる。
「いや、別にダメなわけではないが。座り心地はあまりよくないと思うぞ?」
「そんなことはあ
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