暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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EVIL 悪鬼羅刹
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活動限界。
『滑稽だねぇ、愛する姫を助けに来たのに、その目の前で力尽きちゃうなんてさぁ!』
耳障りな声で、金属質な音で、狂楽という名の《鬼》は嗤う。
笑うとは意味が全く違う笑みを浮かべて、嗤う。
それを眺めながらも、殺したくなっていながらも、レンは動くことができなかった。
四肢の先っぽから、まるで氷風呂の中に突っ込まれているかのような冷気が這い登ってくる。這い登って、這い寄って来る。
ゾゾゾ、と。
ズズズ、と。
寄って来る。
だがレンの脳は、もはやそれらのことについて、思考するのを放棄していた。
手足が冷たくなっていくのは分かる。
それが不快な感覚である事も分かる。
しかし、それを
ど
(
・
)
う
(
・
)
や
(
・
)
っ
(
・
)
て
(
・
)
解
(
・
)
決
(
・
)
す
(
・
)
れ
(
・
)
ば
(
・
)
い
(
・
)
い
(
・
)
の
(
・
)
か
(
・
)
わ
(
・
)
か
(
・
)
ら
(
・
)
な
(
・
)
い
(
・
)
。
光の失った目で、焔を宿さなくなった瞳で、レンは投げ出された己の四肢を眺めていた。
時折、指先が芋虫のようにもぞもぞ動くのは自分の意思ではない。単に、重大な痛みへの痙攣、身体のショック症状の一つだろう。
しかし、その痛みさえも、今のレンには知覚できない。
認識できない。
意識できない、
ぼやけた視界の向こうで、《鬼》が非常にゆっくりと、悠然とした足取りでこちらに近づいてきているのが見える。
その奥で、一人の少女と、一人の女性が何かを叫んでいるが、その声はレンの鼓膜には響いても、脳には届いてこない。
そんな時だった。
『…………オイ』
心の奥底、厳重に封印されたはずの扉から声が聞こえてきたのは。
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