第一章 平凡な日常
6、ご近所さんは運動音痴
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オレの名前は沢田綱吉。
ついさっき並盛小学校の卒業式を終えたところだった。
「はぁ〜ホントついてないよ」
朝寝坊するし、慌てて家を飛 び出したら知らない人とぶつかるし、結局遅刻するし、学生書は無くすし……。
最悪だよ……。
「沢田綱吉!」
「!?」
だ、誰!?
声のした方を見ると、緑(エメラルドって言うのかな?)色の髪の少年と、白( と言うよりは銀?)色の髪の青年がこっちを見ていた。
ひ、ひいぃっ! 睨まれてる!?
「あ、あああの、おおれに何か……」
「これ」
と、少年の方が何か手渡してきた。
これ、オレの学生書!
ってこの人、今朝ぶつかった人!
この人が持ってたんだ……。
「あの、ありがとうございます。それと、すいませんでした」
「いや……余所見してたオレも悪いから」
学生書を受け取るときに、ふと手が触れた。
あれ? この人の手、小さいし柔らかい。
よく見ると、目付きは悪いけど、小柄で体の線が丸い。
「もしかして、女の子?」
「もしかしなくても女だ」
わっ声に出てた!?
思いっきり睨まれた……っ。
「要、帰るぞ」
「ああ」
銀髪の人が呼ぶ。
この人は要って言うんだ。
そして、二人は帰路に着いた……ってあれ?
そっちはオレの家……。
ま、気のせいか。
「オレも帰ろ」
†‡†‡†‡†‡†‡
沢田に学生書を渡し、オレと銀は帰路に着いた。
当たり前のことだが、沢田も後ろから付いてくる。
銀もその事に気づいたようだった。
「なぁ、アイツついてくるぜ」
「気にしたら敗けだ」
なにせ、家が近いからな。
どうやら向こうも不審に思っているらしい。
「っと」
小さな段差に躓き、危うく転びそうになるが、銀に支えられ難無きを得た。
「ぷっ。運動音痴」
「るせぇよ!」
と、その時だった。
「うわっ!」
後ろから沢田の悲鳴が聞こえる。
ちらりと見ると、同じ場所で転んでいる沢田が見えた。
「ぷっ。似た者同士」
「るせぇっ!」
†‡†‡†‡†‡†‡
ようやく家に着いたオレ達だったが。
「え? ここ?」
要の案内により着いた先は、至って普通の一軒家……じゃなくて。
すぐそこには、沢田家があった。
後ろから来た沢田本人も相当驚いていた。
「そーゆーこと」
「えー……」
†‡†‡†‡†‡†‡
帰り道あの人たちは、ずっとオレの前を歩いていた。
どこまで一緒なんだろうと思ったのもつかの間、彼
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