第一章 平凡な日常
6、ご近所さんは運動音痴
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
らはオレの家のすぐ近くで止まった。
「着いたぜ」
ふと聞こえてきたそのセリフ。
え、まさか……あの人の家ってここ!?
オレの近所じゃん!
「霜月……」
プレートに刻まれた名前を見る。
そういえば数日前、引っ越し業者がわんさか来てたっけ。
この人たちなんだ。
仲良くしようか、そんな考えが頭に浮かんだが、さっきの睨むような冷たい視線を思い出して、体が小さく震えた。
「うわっ!」
走り出したとたんに、小石に躓いて盛大に転んだ。
さっきも転んだのに……最悪だ。
「ぷっ」
小さく笑い声が聞こえた。
目だけ動かすと、銀髪の人がオレをちら見して笑っていた。
オレは真っ赤になると、慌てて体を起こして家に駆け込んだ。
母さんに何か言われた気がするけど、無視して部屋に飛び込んだ。
「はぁ……」
鞄を下ろすと、カーテンの開いた窓から外を見る。
入学シーズンに向けて桜の木には蕾がたくさん付いている。
視線をしたにずらすと、あの二人はまだ外にいた。
「やっぱりオレってダメツナなんだな」
そうぼやいたとき、要って人が玄関前の階段に躓いて転んでいた。
ちょっとだけ、口角が上がった気がした。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ