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気まぐれな吹雪
第一章 平凡な日常
6、ご近所さんは運動音痴
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らはオレの家のすぐ近くで止まった。

「着いたぜ」

ふと聞こえてきたそのセリフ。

え、まさか……あの人の家ってここ!?

オレの近所じゃん!

「霜月……」

プレートに刻まれた名前を見る。

そういえば数日前、引っ越し業者がわんさか来てたっけ。

この人たちなんだ。

仲良くしようか、そんな考えが頭に浮かんだが、さっきの睨むような冷たい視線を思い出して、体が小さく震えた。

「うわっ!」

走り出したとたんに、小石に躓いて盛大に転んだ。

さっきも転んだのに……最悪だ。

「ぷっ」

小さく笑い声が聞こえた。

目だけ動かすと、銀髪の人がオレをちら見して笑っていた。

オレは真っ赤になると、慌てて体を起こして家に駆け込んだ。

母さんに何か言われた気がするけど、無視して部屋に飛び込んだ。

「はぁ……」

鞄を下ろすと、カーテンの開いた窓から外を見る。

入学シーズンに向けて桜の木には蕾がたくさん付いている。

視線をしたにずらすと、あの二人はまだ外にいた。

「やっぱりオレってダメツナなんだな」

そうぼやいたとき、要って人が玄関前の階段に躓いて転んでいた。

ちょっとだけ、口角が上がった気がした。
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