781年・青い天馬
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「あなたがカレンを・・・所有者を殺した?」
「そんな・・・どうして・・・どうして!」
ルーシィが震える声で呟き、ルーは今にも飛び掛かりそうな勢いでロキを見つめた。
「所有者を殺した星霊は星霊界には戻れない。このまま僕は消えていく」
「そんな・・・」
「・・・何があったの、ロキ。何かない限り、君が誰かを殺すなんて・・・」
ルーの問いにロキはカレンの墓に目を向け、口を開いた。
「3年前の話だ・・・カレンは青い天馬の魔導士だった」
3年前。
魔導士ギルド、青い天馬に、黄緑色の髪をした女性『カレン・リリカ』が多くの男を引き連れやってきた。
「うわ・・・何アレ・・・」
「また男引き連れてきたの?」
その光景に他の魔導士達はざわつく。
「アタシィ、これからエステだからぁ、今日はもう帰ってくれる?」
「えー、今日は俺とデートの約束だろぉ?」
「僕との食事も今日じゃなかった?」
「違ーよ、俺と遊びに行くんだよ」
カレンの言葉に男達はざわついていく。
「てか君、名前なんだっけ?」
「ひどいな〜、タクロウだよ。もう3回も食事に行ったじゃないか〜」
「俺なんか5回も奢ってんだぜ」
「俺はメンフィスのリングあげたんだぜ」
「あめーよ、俺なんか今度マンション買ってってせがまれてんだぞ」
そこからがやがやと男達は『自分たちの中で誰が1番カレンに愛されているか』なる話をし始める。
まぁ、ティアの言葉を借りれば『全員に対して本気じゃないのよ。誰がアンタ達みたいな軟な男と付き合うものですか』と言ったところだろうが。
「どいつもこいつも鬱陶しいわね」
カレンはそう言うと、金色の鍵を1つ手に取った。
「開け!白羊宮の扉!アリエス!」
「お呼びでしょうか・・・」
ポムッと現れたのは、もこもことしたミニワンピに外巻のピンクの髪、くるんとした茶色い角を生やした星霊『白羊宮のアリエス』だった。
「おおーーーーー!」
「出た−−−−アリエスちゃん!」
それを見た男達の目が一気にハートになる。
「めんどくさいからアンタ、そいつ等の相手してあげて」
「そ・・・そんな・・・私・・・」
「オッケーオッケー!」
「遊ぼーアリエスちゃ〜ん」
どっちにしろ、顔が可愛ければいいという事か。
「私・・・男性をもてなす為の星霊じゃないんですよ」
気弱で内気なアリエスは、内気なりに必死に反論する。
「アタシの命令が聞けねーのかヨ、ア?」
「す・・・すみません」
が、カレンには敵わず、アリエスは目に涙を浮かべながら謝り、男達に囲まれその場を後にした。
「フン。
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