781年・青い天馬
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星霊のくせに口答えするなんて世も末ね」
すると、それを聞いていたマスターボブが振り返り困ったような表情を浮かべる。
「カレンちゃ〜ん、ダメよ。星霊にあまり意地悪しちゃ」
「はぁ?アタシの所有物をアタシがどう扱おうと勝手でしょ?」
ルーシィとは考え方が全く違う。
それを聞いたボブはカウンターを魔法でちゃぷっとすり抜ける。
「アリエスちゃん苦しんでるわ。毎日のお使いや掃除やアンタの捕まえてきた男の相手。この前なんか仕事中に盾にして相手の魔法を受けさせたとか」
「苦しむ?星霊にそんな感情はないの」
星霊に感情はないと言い切るカレン。
・・・が、そんな事を一体誰が決めたのか?
先ほどアリエスは泣いていた。「泣く」とは感情の1つではないのか?
とん、とボブはカウンターを抜け、先ほどまでの笑顔を消し真面目な顔で口を開いた。
「星霊だって生きているの。無下にすれば、今度はあなたが苦しむ事になるわよ」
パシィン、と。
乾いた音がとある部屋に響く。
「あん」
どたっと、アリエスは床に倒れ込んだ。
カレンによって頬を叩かれたのだ。
「くだらない事マスターに吹き込んでんじゃないわよっ!」
「ち、違います!私、何も言ってません!」
「嘘おっしゃい!」
「いっ」
先ほどボブに言われた言葉をアリエスが吹き込んだと怒るカレンに、そんな事は言っていないと涙を浮かべながら反論するアリエス。
が、それを嘘だと決めつけられ、カレンはアリエスに蹴りを決める。
すると、カレンは首輪のついた鎖を持った。
「な、何をするんですか・・・」
「アンタには罰として7日間こっちの世界、人間界にいてもらう」
「7日も・・・カレン様の魔力がもちません!」
「いいえ・・・アタシを甘く見ない事ね。それより自分の心配でもしなさいな」
そう。
カレンの魔力云々よりも、アリエスにとって重要な問題があるのだ。
「星霊が7日間も人間界にいたら、どうなってしまうかをね」
人間は星霊界では生きていけない。
それと同様に、星霊は人間界では生きていけない。
ロキは獅子宮の星霊、戦闘用の星霊だ。
頑丈に出来ている為、少しくらいの雑な扱いには耐える事が出来る。
が、アリエスはどちらかと言えば防御・・・攻撃にはあまり向かない星霊。
そんなアリエスが7日間も人間界にいたら、生命力は弱くなり、下手をすれば消えてしまう。
「ひっ!」
それを感じたアリエスは、ポワッと光になり、その場から姿を消した。
「なっ!逃げる気!?無駄よ!いくらでも呼び出してやる!」
―――――――――否。
「違う・・・僕が無理矢理入れ替わったんだ」
キュルルル・・・と星霊界に帰ったアリエス
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