第113話
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建宮は自分達からどんどん離れていく麻生を見ながら言う。
「何か嫌な予感がする。」
アニェーゼ達は麻生が艦隊に降りるところを見て、気になったのか様子を見に来た。
「とうま、どういうこと?」
「俺のよく分からない。
けど、何か嫌な予感がするんだ。」
「そ、その、私も同じ事を嫌な予感を感じます。
恭介さんのあの笑顔。
何だか、どこかへ行ってしまいそうな、そんな風に感じ取れました。」
上条と同じことを思ったのか不安そうな表情を浮かべる五和。
「五和まで、心配し過ぎよな。
あいつは我らが思っているよりも強い。
すぐに戻ってくるよな。」
建宮は五和の肩を叩きながら心配するな、という。
しかし、二人の胸の奥にはその嫌な予感が一向に晴れる事はなかった。
麻生は周りを見渡す。
周りには海しか広がっておらず、島や船などは見当たらない。
それを確認すると、一気に急降下して海の中に入って行く。
クラーケンは麻生の速度に追いつけていないのか、後ろから麻生を追う形になる。
依然と、変わらずの速度で海の中を潜って行く。
本来、海を深く潜れば潜るだけ水圧が大きくなる。
深海まで行くと人間など、一瞬で圧迫され、死んでしまう。
だが、麻生は星の力を使い海でも呼吸ができ、さらに水圧などでは死なない。
残り使用時間は二分。
ついに海の底が見え、そこに足を下ろす麻生。
そして、自分の後を追い駆けているクラーケンを見つめる。
麻生の視界にはクラーケンしか映らない。
それだけ巨大なのだ。
麻生の足元に半径四メートルの魔方陣が出現する。
その魔方陣は複雑な紋章を浮かべていた。
此処にインデックスが居れば、この魔法陣を見た瞬間、これらが何を意味するか分かった筈だ。
この魔法陣には、周囲の魔力を増加させ、集める意味を持つ魔方陣を重ね重ねた陣である事を。
麻生の周りに莫大な魔力が集まっていく。
さらに能力を使い、魔力を高めていく。
手を地面に置く。
その地面は大きく歪む。
歪みから現れたのは一本の剣だ。
いや、剣と表現するのは間違っているかもしれない。
剣というより円柱状の刀身を持つ突撃槍のような形状だ。
だが、この表現も間違っている。
何故なら、これができた時は剣などいう概念は存在しなかった時代だからである。
周囲にある魔力、自信にある魔力など片っ端からそれに注ぐ。
円柱状の刀身は三つに分かれており、魔力を注ぐとそれぞれが別々に回転する。
その回転は風を起こし、やがて暴風へと変貌していく。
それでも、麻生は絶えず魔力を注ぎ続ける、
注ぐ魔力に呼応して、風はどんどん強くなっていき、いつの間にか海水を巻き上げる。
それは台風の様だった。
麻生を・・・正
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