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とある星の力を使いし者
第113話
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う言うのは事前に言えよ!!」

上条は突然の麻生の指示に不満の声をあげる。
麻生の方はその上条の声を全く聞いておらず、消滅した足を観察していた。

(やはり、消滅するのは足の一部分だけか。
 完全に消滅させるには、身体本体に触れる必要がある。)

そう考えたが、それは自殺行為に他ならない。
上条の右手は麻生の星の力すらも打ち消してしまう。
つまり、麻生の補助を受ける事が出来なくなってしまう。
本体に近づけば近づくだけ、反撃は強くなるはず。
補助を受ける事ができない上条では海の中で息を止めるにも、限界がある。

(時間も残り四分を切っている。
 あれを倒すには、海から引きずり出し、一撃で本体を消滅させる攻撃をしなければいけない。)

麻生は考える。
この現状を打破する術を模索する。
そして、この現状を打破する方法を思いつく。

(この方法は分の悪い賭けだ。
 失敗すれば俺は確実に死ぬ。
 だが・・・・それがどうした。
 俺一人犠牲になるくらいなら安いものだ。)

何としてもこの魔物は今ここで倒さないといけない。
何故か麻生はそう思った。
誰かに言われた訳でもない。
麻生の心の底で確かにそう思った。

(何に換えてもこいつはここで俺が殺す。
 それが・・・それが!)

星の守護者としての使命なのだから。





上条を抱えていた麻生だったが、一番近い艦隊に降りると上条を降ろす。

「どうしたんだよ。
 何か別の作戦でも思いついたのか?」

何の前触れもなくいきなり降ろされた上条は麻生に聞く。
ちょうどその艦隊には建宮達も乗っていたらしく、麻生に近づいてくる。

「あれを倒す方法でも思い浮かんだのか?」

上条の言葉を聞いたのか、期待しながら麻生に聞いてくる。
建宮も分かっているのだろう。
この中であれを倒せるのは麻生だけという事に。
全員それを分かっているのか、自然と麻生に視線が集まっていく。

「ああ、たった今思い浮かんだ。」

それだけ言うと麻生は左手を軽く上条の頭の上に乗せる。
力のない笑みを浮かべて言う。

「後の事は頼んだぞ。」

上条だけにしか聞こえない声でそう言うと、風を纏い一気に上昇していく。

「恭介?」

何故か、その笑みを見た上条は少し嫌な予感を感じた。








風を纏った麻生は低空飛行しながら『女王艦隊』から離れていく。
すると、クラーケンの影は『女王艦隊』から離れ、麻生について行く。

(やっぱり俺を狙うの優先しているみたいだな・・・・好都合だ。)

どんどん、スピードを上げながら海の沖に向かって移動する。




「おいおい、一体どこに行くつもりよな?」

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