少年は剣の世界で城を上るようです 第三層
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あって欲しい。扉は開くと思うか?」
「倒せる方なら開かない、倒せなければ開くと思うが………どちらにしろ、あそこまで行って確認しないとな。」
「仕方ない、サチ。俺達がアレを食い止めるから、扉が開くか確認して来てくれ。
出られるようなら、先に逃げてくれ。」
「わ、分かった………。」
ミミックから目を離さないように、でも早く後ずさる。あの気持ち悪いのをずっと見てるのは嫌だけれど、
目を離す方が・・・怖い。キリト達もゆらゆらしてるだけでその場から動かないミミックから目を離さないで、
ゆっくり後ずさって来る。そして扉まであと5mくらいの所で、チラッと扉の方を見た瞬間―――
「サチっ!」
ガギィン!!
「きゃあっ!?な、何……!?」
「呆けるな、扉まで走れ!!皆も早く!!」
「あ、ああ!」
私のすぐ後ろで、キリトの剣とミミックの腕がぶつかり合った。腰を抜かしそうになるけど、キリトの怒声で
立て直して、扉までの5mを走る。扉を開けると、いつも通りに開いて、凄く安心した・・・。
「き、キリト!扉開いたよ!」
「よし!俺もすぐ行くから皆は部屋の外を見ててくれ!!」
「ったく、いっつもカッコつけやがって!」
尚もミミックと切り結んでるキリトを置いて、私達四人は部屋の外に出てモンスターが居ない事を確かめる。
すぐにキリトも、部屋から転がる様に迷宮の回廊に出て来たけれど、ミミックは扉が狭いらしくて、
外には出てこなかった。
「危なかったな……。つかキリト、お前どんだけ速いんだよ。」
「あ、いや、必死だったもんでな………。それより、とっとと転移結晶使って帰ろう。」
「だな、疲れた。」
安堵した所で、皆がそれぞれ転移結晶を取り出す。漸く街に帰れる―――と思ったその時、
聞き慣れない警告音が回廊に響き渡った。
ビー! ビー! ビー! ビー!
「な、なんだこれ!?まさかアラートトラップか!」
「二段構えとは恐れ入るぜ……。ミミックを倒さないで部屋から出れば、アラートとはな!転移できるか!?」
「『転移、アストラント!』……だ、駄目だ。結晶無効化空間だ!
どうする、前からも後ろからもワラワラ出て来やがったぞ!」
「クソッ!ここからだと、ボス間から次の層に移った方が早いか……!皆、最深部へ向かうぞ!」
叫ぶと同時にキリトは左のモンスターの群れに突っ込んで行った。
その勢いに私達は押されたけれど、後を追って走った。・・・そう、ほぼ走っただけって表現が正しい。
湧き続ける敵をバッサバッサと斬り倒して行くキリトの後をついて、HPの残ってる敵を処理するだけだった。
―――
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