少年は剣の世界で城を上るようです 第三層
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・・・彼の言葉を気にした訳では無く。
今日ここに来た理由・・・彼等を騙している自分が嫌になり、それを一瞬でも忘れようと、あわよくば・・・
スッキリしようと思ったからだ。彼等と話したらスッキリさえしてしまったので、これでここに居る理由は
無くなった。ワープポートで26層へ移動し、宿屋の自分の部屋へこっそりと戻った。
剣とコートを外しベッドへ寝転がると、久しぶりに気持ちの良い微睡が直ぐに襲ってくる。
・・・明日は、良い一日になると良いな。
………
……
…
「あ、あ、あ……!!」
「サチ、逃げるな!まずは盾で敵の攻撃を防御するところから……って、ああもう!
キリトすまん、一端退避するか?」
「いや、この数なら俺とササマルで十分行ける。皆はサチを頼む!」
「分かった、二人とも無理はするなよ?テツオ、ダッカー。ウチの臆病なお姫様を迎えに行くぞ。」
「あいよ。」 「りょうかい〜。」
俺とササマルの安否を気遣う一言を言い残し、ケイタ・テツオ・ダッカーはサチを追いかけた。
これで通算・・・何度目だろうか。サチ・・・黒髪ショートの、大人しそうな可愛い子だ。
俺がこのギルドに厄介になったあの日の夜、このギルドのリーダーであるケイタから頼まれてから連日この調子。
五人パーティなのに前衛が一人と言うパーティ構成だった為、ササマルより両手長槍の熟練度が低かったサチを、
盾持ち片手剣に転向させ、前衛として戦わせてくれ―――と言う事だった。
しかし、結果はこの通りだ。元々怖がりなサチを前衛にしようと言うのが間違っている。
大の男ですら、凶悪なモンスターと対峙し踏み留まるのは慣れと胆力が必要だ。
・・・ケイタとテツオにはそれと無く何度も伝えたのだが、その都度『お前にばかりしんどい役を押し付ける訳に
はいない』と言われてしまい、日々を追う毎にサチへの無言のプレッシャーは強くなっていった。
「そいっ!っと、これで全部みてぇだな。俺達も後追おうぜ、キリト。」
バシャァッ!
「ああ、そうだな。やれやれ、俺なら大丈夫だって何度言えば分かってくれんのかなぁ。」
「あー……だよなぁ。いっそ俺かダッカーが代わるって言ってみようか?」
「………いや、やめとこう。これ以上二人を刺激したら、サチへのプレッシャーが益々重くなるかも知れない。
もう少ししてあの二人の考えが変わらないようなら、また動こう。」
「お前がそういう言うなら。そん時は、俺も言うぜ。」
俺の言葉に、ササマルは頷く。・・・ササマルとダッカーは、女の子に前衛を任せて自分達が後ろから・・・
と言う戦法に、元々反対していたのだ。だが、リーダーと副リーダーであり高
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