第一章 平凡な日常
5、約束要らずの再開
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要を転生させてから、早いもので12年の月日が流れた。
あれから、オレはずっと要をモニター越しに見続けていた。
流石のあいつでも運命を変えることはできなかったらしい。
並盛小学校の卒業式である今日、いつものようにモニターで要の様子を見ていた。
「ん? あれは沢田綱吉の家だよな……何であんなところにいるんだ?」
なぜか、要は沢田綱吉の家に向かって歩いていた。
あいつって自らキャラに接しに行くようには見えない。
ってことは、迷子か?
「ま、いっか。別にオレは関係ないし」
モニターの前に横になると、オレは微睡みの中に落ちていった。
と、言いたいところだったのだが……
『その髪、校則違反だよ』
知ってるような知らないような声がモニターのスピーカーから漏れてた。
あ、あれ……? この声って……
ちらりとモニター画面を見る。
「雲雀……恭弥」
†‡†‡†‡†‡†‡
「なんでこうなるんだよ!」
モニターに映った雲雀を見た後、オレは咄嗟に現世へと向かった。
今の要じゃあいつに勝つのは不可能、むしろ死への道を逝くことになる。
正直、今要に死なれたらかなりまずい。
「いたいた」
姿を見つけた瞬間、一気に間合いを詰めた。
要の襟を掴み、後ろに引き戻す。
「よっ」
「銀!?」
それにしても、こんな再会って最悪だよな。
「君、誰? 邪魔するなら君から咬み殺すよ」
「うん、まあ、オレは戦っても構わないけど、平日の白昼だし? 止めとくっ」
「待ちなy「だが断る!」っ!」
振りきられたトンファーを避け、オレは要の襟を掴み直すと、ワープでその場を去った。
ワープ時に要から微かに悲鳴が聞こえた気がするけど気にしたら負けだ。
†‡†‡†‡†‡†‡
場所は並盛小学校。
要曰く、沢田綱吉の学生書がポケットに入ってしまい、返そうにも卒業式なうらしい。
だがまぁ、雲雀とのグダグダの間に卒業式は終了していた。
「ん? 身体能力? まだ上げてねぇけど?」
体がうまく動かないという要に、さらりとオレはいった。
刹那、中指を突き出した拳が降り注いだ。
「いたっ……く無いけど何だよ!」
「痛くねぇの!?」
「お前……自分の腕力知らねぇのかよ」
要の腕は、一般女子と比べても細い方だと言える。
故に、腕力など皆無に近いのだが、先程雲雀に殴りかかろうとしていたところを見ると、自覚はないらしい。
「やっぱオレって力ないんだな」
「要……。っあ、沢田綱吉、出てきたぜ」
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