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とある星の力を使いし者
第112話
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「つまり、あれは神話で出てくるクラーケンとは違うという事だ。
 おそらく、誰かが作った偽物だろうな。」

「そんなのはどうでもいい。
 あの化け物を倒さないと駄目って事だろう。」

「その通りだ。
 そう言えば、ビオージアはどうなった?
 できれば、あいつが持っている霊装に少し用があるんだが。」

麻生がそう言うと、上条は何かに気がつき、言いにくそうな顔をする。

「どうした?」

「多分、ビオージアはあの足に捕まったんだと思う。
 しっかり見た訳じゃないけど、何かの影に捕まってそれから見ていない。」

「そうなると、ビオージアは今頃あの魔物の腹の中か。
 となると、霊装は諦めた方が良いな。」

「何を話をしているのですか?」

厳しい表情をしている麻生を見て、アニェーゼは聞いてくる。

「ビオージアが持っていた霊装はあの魔物の腹で消化されたんだろうな。
 だから、それを核としている『女王艦隊』は崩壊を始めた。
 艦隊という船が無くなれば、俺達は餌になるだけだ。
 それを防ぐために、俺は能力を使い、この旗艦を一時的に核の霊装の代わりに変換させた。
 だが、これは俺の能力使用時間が切れるまでの間だけだ。」

「その時間は残り何分なのでございましょうか?」

不安そうな表情をしながら、オルソラは質問する。
少しため息を吐いて、麻生は言った。

「残り五分といった所だろうな。
 それまでに、あの魔物を殺さないといけない。
 さらに悪い情報だが、あいつは海の中にいれば死ぬ事はない。
 殺すには奴の身体を海から引きずり出さないといけない。」

その言葉を聞いて、四人は驚きの表情を浮かべるのだった。
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