暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
共闘〜
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春鈴が踏み込み、サチの懐に入る。

「せやっ!」

トンファーによる一撃。鈍い音が響くが、サチは微動だにしない。

「あらら・・・固いです、ね!」

更に蹴りを入れるがまったく効果はない。サチはお返しとばかりに爪を振るうが、春鈴は跳んで回避する。

「十字鎌鼬・・・はさっきので効かないのは分かりましたからねぇ・・・手札を一枚切りますか」

春鈴がトンファーを振ると刃が現れ・・・

「・・・燃えなさい、烈火!」


気で光った刀身が次の瞬間、燃え盛る。そして春鈴は飛び上がり、腕を交差させて振り、×の形の炎が出来上がる。そこから空中で一回転、炎に向かって気を籠めた両足を突き出す。

「紅蓮・・・鎌鼬ィ!!」




打ち出された炎が回転しながら進み・・・サチに当たり、そのまま押されて壁に激突した。

「お、おおう・・・」

「やりましたか?・・・と言ってはいけませんよね」


「グルルル・・・」

「・・・ですよね」

春鈴は軽く息を吐き、刃をしまう。

「・・・私としても、あなたを傷つけるのはいい気はしません・・・だから」

ジャリ、と春鈴が足を開き、右腕を引く。

「・・・次で決められるよう、善処します」


見ただけで大技を繰り出そうとするのが分かる。


「援護を・・・」

「あ!いえ、援護しなくて平気です!」

「何言ってるのよ?技出すにも・・・」

「いい感じに敵意がこちらに向いてます。死なないように撃ち抜くなら、向かってきてくれた方がいいです」


「・・・自信あるねぇ」

「自信が無ければ戦えませんよ」


「ガァァァァ!!」

サチが突撃してくる。春鈴は静かに、長く息を吸い・・・

「冷滅・・・固定」

足甲から気で出来た爪のような物が現れ、地面に突き刺さる。

「烈火、装填」

一瞬眩く烈火が光ったが、すぐに光が収縮され、サイリウムのような感じになる。

「装填完了・・・!」

サチが迫り、横凪ぎに爪が振るわれるが、春鈴が右の烈火で防ぐ。そしてがら空きのボディに・・・烈火を突き付ける。

破射(パイル)・・・爆火(バンカー)!!」

キュオオン・・・!!

光が、サチを貫いた。そして、音が消えた次の瞬間・・・

ドォォォン!!

「ギアアアア!?」

サチが物凄い勢いで吹っ飛んだ。春鈴は構えを解き・・・大きく息を吐いた。

「手応えアリ・・・!」



「・・・スゲーな、おい」


「まだ手札はありますが・・・こんなに使ってしまうとは思いませんでした」

「あーあ、俺ら出番なかったな?」

「・・・なくてもいいでしょ、別に」


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