暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
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── リンゴーン、リンゴーン、リンゴーン ──
「ん?」
鐘の音だった。【始まりの街】からはかなり離れてしまったため鐘の音の発生源などここら辺にはない。レンが戸惑い、固まっていると、不意にアバターの体を青いライトエフェクトが包んだ。これは……
「転移!?」
馬鹿な、アイテムも使っていないのにどうやって、とレンが思っている間にも青い光は激しさを増し、体を完全に包み込む。
思わず目を閉じたレンが再び目を開けるとそこはもう、夕暮れの草原ではなかった。
広大な石畳、周囲を囲む街路樹と、中世風の街並み。そして正面遠くに、黒光りする巨大な宮殿。
間違いなくつい数時間前にいた【始まりの街】の中央広場だ。
「………はい?」
レンが軽く思考停止に陥ってる間にも周りには次々と青いライトエフェクトが発生し、プレイヤーが出現している。
色とりどりの装備、髪色、眉目秀麗な男女の群れ。間違いなくレンと同じSAOプレイヤー達だ。どう見ても数千 ── 一万人近くはいる。恐らくレンと同時に、現在ログインしているプレイヤー全員がこの広場に強制テレポートさせられたのだ。
一様に彼らの顔に浮かぶのは、混乱、戸惑い、そして僅かな怒り。
そして数秒間、人々は押し黙り、きょろきょろと周囲を見回していた。
やがて、さわさわ、ざわざわという声がそこかしこで発生し、徐々にボリュームを上げていく。
「どうなっているの?」「これでログアウトできるのか?」「早くしてくれよ。」などという言葉が切れぎれに耳に届く。
「…………ログアウトできない?」
レンはすぐさま右手を振り、メニューウィンドウを出現させる。そして左にぎっしりと並ぶメニュータブの一番下に指先を滑らせる。
そして、ぴたりと全身の動きを止めた。
無かった。
人々の言葉通り、今日、正式サービス開始時の午後一時にログインした直後に確かにそこにあったはずのログアウトボタンが、綺麗に消滅していた。
たっぷり数秒間、レンは空白箇所をまじまじと凝視し、もう一度メニュータブを上からゆっくり眺め、ボタンの位置が変更になったわけではないことを確認した時、
不意に周囲の声を押し退け、誰かが叫んだ。
「あっ……上を見ろ!!」
レンは反射的に上を見た。そして、そこに異様なものを見た。
百メートル上空、第二層の底を、深紅の市松模様が染め上げていく。
よくよく見れば、それは二つの英文が交互にパターン表示されたものだった。真っ赤なフォントで綴られた単語は【Warning】、そして【System announcement】と読める。
一瞬の驚愕に続いて人々は、ああ、ようやく運営のアナウンスがあるのか、
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