暁 〜小説投稿サイト〜
気まぐれな吹雪
第一章 平凡な日常
1、死は突然にやって来る
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帰り道。

寮暮らしのオレは、独りうるさい町中を歩いていた。

何もかもが不快だった。

史上最年少で難問大学である西条考古学院に入学したまではよかったが、逆にそれが恨まれる種となった。

「はぁ……晩飯何にしよう……」

そんなことを考えながら鞄の中から一冊のマンガを取り出す。

家庭教師ヒットマンREBORN !

オレのお気に入りの逸品だ。

ま、出会うのが遅すぎて、はまった頃にはもうアニメが終わってたのは泣けたな。

青になった信号を確認して、横断歩道に出たときだった。

『危ない!』

そんな声が聞こえた気がした。

オレの目の前に迫るのは、信号無視をしたトラック。

逃げなきゃ。

そう思うのに体が動いてくれない。

金縛り。

真っ先に浮かんだワードはそれだった。

嫌々、嘘だろ。

白昼堂々道路のど真ん中で金縛りだなんて、洒落にもほどがある。

それでも、オレは動くことができなかった。

そして

ドンッ

鈍い衝撃と、肋骨が何本か折れる音、込み上げる鉄の味がオレを襲った。

視界がぐるぐると回る。

ふと思い出したのは、幼い頃に失った両親の顔。

あ、オレ死ぬんだ。

情けねぇなぁ……信号無視をしたトラックに跳ねられて死ぬなんてさ。

力が入らずに地面に投げ出された腕に生暖かいものが触り、それが血だと理解したとき、死と言うものを初めて実感した。

でもこれで、父さんや母さんに会える……。

ああ、安心したら眠くなってきやがった。

さようなら、オレの短い人生。

唯一つの心配事は、リボーンが血で汚れていないかだった。



†‡†‡†‡†‡†‡



『起きろ』

誰かが呼んでる。

でも知らない声だ。

それに、起きたくない。

このままずっと眠っていたい。

「起きて〜」

ぷにゅ

「にゃにゃにゃにゃにゃ?!?!?!」

突然ほっぺたをつつかれ、自分でも驚くほどあり得ない声が出た。

顔を真っ赤にして犯人の顔を睨み付ける。

「ワォ」

そこにいたのはイケメンだった。

雲雀と瓜二つの容姿を持っていて、違うのは髪が銀色であること、糸目であること、わずかな隙間から見える瞳の色は深紅色であること。

「え〜と……どちら様?」

「よくぞ聞いてくれた! オレの名前は銀。俗に言う神様だ」

「イタイ子は家に帰れ」

「酷いっ」

何なんだよ、突然現れて『神様だ』?

あー……とうとうオレの頭もやられてきたか?

こんな非現実も甚だしいやつがいるとは思わなかった……。

「まいいや。えと、銀、だっけ? ここは何だ? オレは死んだ
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