一部【スサノオ】
七章【依頼】
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やってられねぇ、と頭の後ろで手を組み背もたれに寄りかかるジャック。
「うーん、確かに変な人でしたけど、そんな悪い人でもなかったような…」
「はぁ!?マジかよ?…まぁ、感じ方は人それぞれだわな」
ふと、最後にGに言われた言葉が零の頭をよぎる。
『哲二には気を付けろ』
初日からあの人に会ってないけど…どういう意味だったんだ?
「ま、こうして3人とも無事ゲーム続けてるわけだし!零にクエストの良さをわかってもらうためにも3人でクエストいかないか!?」
「ちょっと、私貴殿方と組むのはこの間が最後って言いましたわよね?」
「まぁまぁ、そう言うなよ。この間倒したって言う大型ネイティブのエクステンドも見てみたいし、なっ!」
ニカッと、零へ相づちをうつジャック。
「そうですね。クラウリーさんの華麗に戦う姿もみてみたいな」
もちろん、本当はそんな姿見たいわけでもないけど…。
クエストの受け方はおろか、なにも分からない零にとってジャックの申し出はこの上なくありがたいものだった。
「まぁ…そこまで言われたら仕方ないですわね」
「ほんとは嬉しいんだろ」
「そんなわけないでしょっ!」
ニヤニヤしながらからかうジャックにクラウリーは耳まで真っ赤にして怒鳴り付ける。
「さて、いこうぜ!」
「絶対に嬉しいわけではないのですからねッ!」
「はいはい、わかったわかった」
必死に言い訳をするクラウリーを適当にあしらいながら、3人はカフェエリアから歩き出す。
ジャックが言うことには、目的地はフロンティア1の南東に位置する『商業区』にある『依頼斡旋所』らしい。そこそこに広いフロンティア1の道程を、他愛もない世間話やお互いをからかいながら歩く。
それは久々に楽しい、と零にとってそう感じた貴重な時間だった。
今までネット越しにチャットでこういった会話はしてきた零だが、自分の声で母親以外と他愛のないことを話し、相手の表情が見える…そんな経験は本当に久しぶりの事だった。
そんな話をしていく中で、ふと零は気になった…
「そういえば、ジャックさんやクラウリーさんはなんのためにこのゲームへ?」
「俺はもちろん金だな。こんな遊んで金もらえる仕事なんてないしな!」
「ゲスな考え方ですわね」
ジャックの動機に、あきれ声になるクラウリー。
「悪かったな!世界を救うために〜なんて真顔でいって見せる勘違いの偽善者野郎よりはマシだろ?つか、クラウリーの理由はなんなんだよ?」
「私?そうですわね…まぁ私もおんなじような感じですわね」
歯切れの悪い答えに、ジャックは顔をしかめる。
「なんだよ、適当な感じだな」
「存在が適当な貴方に言われたく
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