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ドラクエX・ドーラちゃんの外伝
キラーパンサーに転生
1目覚めと出逢い
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 気が付いたら、ここにいた。

 と言っても、気が付いたのがいつだったのかも、ちゃんとはわからない。

 キラーパンサーというか……ベビーパンサーとして生まれて、たくさんの兄弟たちと一緒に育って。

 ずっとそのことに疑問も持たないで、生きてたのに。

 ある時、気付いてしまった。


 あれ?あたし、人間だった。


 周りの兄弟たちを見て、また気付く。


 あれ?ベビーパンサーだ。

 ……あたしも、ベビーパンサーだ。


 …………ドラクエだ。



 意味がわからなかった。
 わからなかったけど、ずっとそれで生きてきて、気が付く前の生きてきた記憶があって。
 気が付いた時にはもう、あたしはベビーパンサーであることに馴染んでしまってた。

 人間だった時には考えられなかった、牙と爪で獲物を仕留める狩りをして、まだ温かい、血の滴る新鮮な肉を、臓物ってヤツも。
 食べることにも、もう慣れてしまってた。
 と言っても、狩りはキラーパンサーのお母さんに見守られながらごっこみたいにやってみてただけで、まだちゃんと、一人で獲物を取れたわけでは無かったけど。

 ただ、あたしにはたぶん前世の、人間だった時の記憶があって。
 周りはみんな、ただのキラーパンサーにベビーパンサーで。
 あたしの記憶がほんとのことかどうかも、確認はできなくて。
 あたしは気が付く前と同じようにベビーパンサーとして生きていく、ただそれだけのことだった。



 ある時、お母さんがいなくなった。

 あたしも兄弟たちもまだ小さくて、狩りはまだそんなに上手くできなくて。
 あたしだって上手くできないのは同じだったけど、でも気が付いてしまったあたしは、兄弟たちよりも賢かった。

『ねーやん、ねーやん。はらへったー』
『ねーちゃ、おなか、すいた』
『おねちゃ、おかちゃは?』
『……お母さんは、わからない。お腹が空いたなら、狩りに行こう』

 兄弟たちとは、一緒に生まれたはずだけど。
 賢いあたしは、みんなのお姉さんみたいになって、頼られていた。
 それでいいと思ってたわけじゃないけど、誰も頼れないから仕方ない。
 あたし一人では狩りはできないし、他の兄弟に任せるくらいなら、あたしが仕切ったほうがずっと上手くいく。

 お母さんが急にいなくなったわけは、わからなかったけど。
 この辺りには他にもベビーパンサーがいるのに、キラーパンサーは見ないから。
 きっと元々、キラーパンサーが子供を産むために来る場所なんだろう。
 ある程度、子供たちが、あたしたちが自力で生きていけるようになったから。
 だからお母さんはあたしたちを置いて、いなくなったんだ。

 そんなことを兄弟たちに言って
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