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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第一九話
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員を呼んで食事の注文をした。もうきな臭い話はなくなり、和気あいあいとした会話を交わすその姿は、まるで昔から仲のいい家族のように見えたとか。



 それからしばらくたった別の日。直人はリンディを通じて連絡を受け、とある女性と二人きりで面会している。場所はアースラ艦内の取調室。

「……その話、ホンマか?」
「ええ、確かよ。この画像の日付を見てもらえればわかるわ」

 黒髪をショートカットにしているスレンダーなこの女性は管理局の制服姿だ。直人は黒のスーツなのだが、ネクタイを締めておらずシャツは赤。首元を少しはだけさせ、チョーカーを見せる。

「……この話、プレシアさんには通してへんやろな?」
「ええ。その画像データはあなたにあげるから、伝えるかどうかはあなたが決めてね」

 もっとも、伝えないという選択肢はないでしょうけど、とその女性は付け加えた。彼に渡されたその画像は、暁に殺されたはずの『彼女』のものだった。それも、生きていれば年相応に育ったであろう姿で撮されている。

「彼女、あなたより年上かしらね。まぁそもそも、あの女がプレシア・テスタロッサの変わり種としてジュエルシード事件に関わったのだから、彼女本人が何の防護策も講じていないはずはないと思ってはいたけど。探すのに苦労したわ、本当」
「……それもそうか」
「で、どうするの?あなたと彼女は直接の面識は無いわよね?」
「ああ。せやから俺から動くことはあらへん。それに彼女に会うんなら、俺より先に会わなあかん人間がおるやろ」
「……それもそうね」

 同じ言葉で返す彼女。直人が嘆息し、データの入ったメモリーカードを預かると、女性は彼に色めいた視線を向ける。

「とりあえず、礼は言っとくわ」
「お礼なんていいから、そろそろデートの一つでも誘ってくれない?うちの部の人間、どいつもこいつも退屈で仕方ないのよ」
「お前と俺が?やめとけ、貧乏デートまっしぐらやで」
「いいじゃない。退屈なルーチンを片付ける毎日で時間とられてばかりで、まとまったお金を使う暇がないのよ。最近の私は」

 軽口を叩きあいながら直人とその女性は同時に立ち上がり部屋を出た。直人と並んでも身長差を感じさせない彼女は女性の中でも高身長な方なのだろう。

「腹立つ言い方やの。ほな今度メシでも奢れや」
「いいわよ、あなたがクラナガンに来た時にでも。肉が食べたい?それとも魚?必ず満足させてあげるわ」
「お前の行く店ってどこも緊張感パないんよなぁ……」

 直人はこの女性と交際関係にあるのだろうか。だとすればいつ始まったのか、竜二にバレればヤジと共に追求の嵐は間違いない。

「デートだもの。それに、義理とはいえあの大魔導師プレシアの息子に当たる人間を下手な店になんて連れて行けないでしょ?
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