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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第一九話
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いう組み合わせはどこか寂しく、それでいて似合って映った。

「しかしまぁ、アスカから電話とはな。こら今夜はガッツリ相手したらなあかんのかね」

 そういった竜二の口調は面倒くさそうだが、うれしそうな表情はヘルメットがなければ隠せていなかった。



 数日後、竜二のバイト先であるJS楽器店は、これまでにない盛況を見せていた。理由はやはり、先日のロックフェスだろう。様々な技術を披露し、かつスタッフとスクール生がバンドとして参加していたのは、彼らの趣味と店の知名度という実益を兼ねたものだったと言える。

「ええ、こちらはポール・ギルバート氏のシグネイチャーモデルとなっていまして、彼に近い音を出したいのなら、このギターにこのアンプを、大体これくらいのチューニングで……」
「こちら全部で8万7000円になります。はい、9万円からお預かりいたします」

 店長を訪ねてきた女性達も総出で、竜二や矢吹に教えられながら接客に回っていた。しかし接客そのものに関してはこなせても商品知識がないに等しいので、結局竜二と矢吹が走り回っていることに変わりはなく、減った負担といえばレジに入らなくて良くなったくらいだとか。

「こちらはイングヴェイ・マルムスティーン氏のレプリカでして、少々お値段は張ってしまいますが……」
「お買い上げありがとうございます。修理、メンテナンスなどは、当店をご利用ください。今後共またよろしくお願いいたします」

 たった二日でこの街のギターヒーローとなった竜二であった。そんな彼を見ようと店に訪れる客の足はなかなか減らない。また彼のようになりたいと、ギタースクールへの申し込みも途切れない。

「……こんなに忙しいのか、この店は」
「まぁ、最近は特にそうみたいね」

 竜二に用があったのか、クロノとリンディが店に訪れるが、盛況ぶりを見て驚いていた。これでは話をするどころか、声をかけることすらためらわれるくらいである。

「これじゃあ仕方ないわね。どこで待つ?」
「そうだな……あれ?そういえば母さん、買い物があるんじゃなかったっけ?」
「ああ、もう食材がなかったわねそういえば。そろそろ買わなきゃ」
「だね。たぶん閉店までいるだろうから、それまでにやること全部済ませとこう」

 そんなに緊急の要件でもなかったのか、それとも直接伝えなければならないのか。どちらにせよ彼女たちが急いでないところを見ると、今のところは平和な海鳴であった。



 その同じ頃、時空管理局本局、特務一課。逮捕に生死を問わないとされる危険人物の対策部隊。現場主義の部隊であるため、隊員は基本的にあまり事務室にいない。いるのは主に作戦行動中に被害が発生した場合の始末書の処理と掃除をしている待機中の隊員だ。

「失礼します、フレディ
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