05突入
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
からかわりにこのワインを飲みなさい。」
そしてミュラーはビッテンフェルトに向き直って言う。
「ビッテンフェルト提督、提督が今ブランデーを注がれたグラスは小官の物ですよ?」
「そうなのか?」
「ブランデーはもう残念ながらないので、このワインでいかがでしょう?」
「おう、かまわんぞ♪」
すると、今まで黙ってワインを楽しんでいたロイエンタールが口を開く。
「流石、ミュラーだな。馬鹿の一つ覚えのように猪突猛進なその男の手綱を引く術を心得ている。」
どうやら、ミュラーがした事は全てお見通しらしい。
「そんな事はありません。何かお間違えでは?」
ミュラーが答えると、突然、ミッターマイヤーが話始めた。
「卿とミュラーはお似合いだな、トンクス大尉。どうだ?付き合う気はないのか?」
今までとろんとしていた(アルコールで)目を素晴らしく輝かせながら話すミッターマイヤー。………だが、その爆弾発言としか言えない暴挙?にドーラはどう返事をして良いか分からず、ミュラーに救助要請をする。
「気にしなくていいですよ。提督は酔われるといつも独身者にこの手の話をふられるから。」
「そうなんですか…」
「ミッターマイヤー。」
「なんだ、ろいえんたーる?」
「そろそろ止めておけ。明日の執務に差し支えても知らんぞ。」
「まだ、だいじょーぶ!だ!」
「……本当に知らんぞ…」
ロイエンタールは呆れた様にミッターマイヤーに言った。
「そういえば、とんくすたいい?」
「……何でしょうか?ミッターマイヤー提督。」
「けいはなぜ、ぐらすをもったままなのか?わいんがおいしくなくなるぞ?」
余計なことを、とこっそり溜め息をつくミュラー。
「そうだ!!!!!!!!!早く飲め!!!!!!!!!!」
急に思い出したように、今まで若干静かになっていたビッテンフェルトが騒ぎ始める。
ドーラは仕方なく、ほんの少しワインに口をつける。かなり重い口当たりの物だったが、まわりにあるお酒の瓶達を見ると、そこにある中ではこれでも軽い方の物らしかった。
「そら、もっと飲め!!!!!!!!!!」
ビッテンフェルトは瓶をグイグイとドーラに押し付ける。ミュラーはもう自分ではビッテンフェルトの暴走を食い止める事が出来ないと、彼と同い年でありながら精神年齢は(彼より)遥かに高い(であろう)ロイエンタールに助けを求める。
……が、ロイエンタールは見向きもしない。
……実際はロイエンタールもビッテンフェルトも同じ程度の精神年齢だったようである。
ミュラーは何度目かの溜め息を吐き視線を空中にあげると、突然ガチャンという音がテーブルの上から響いてきた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ