第六話 体が小さくても、心は誰よりも大きい
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ジュ「えっ?」
足のトンネルを潜り抜けると、俺は急停止して、その場で高く飛び跳ねた。そして、ジュンの濡れた茶色い毛にしがみ付く。
ジュ「うわぁっ!!は、離れろぉ〜!!」
ジュンは必死に体を揺すって俺を落とそうとするが、俺は落とされる前に鋭く尖った小さな歯でジュンの背中に噛み付いた。
ジュ「痛ーーーーーーーーーーッ!!」
ボワワワワワァン。
ジュンの悲鳴と同時に、俺とジュンの体を白い煙が包み込み、俺とジュンは元の姿に戻った。ジュンは噛まれた所を押さえて、黒い垂れ目に涙を薄っすら浮かべながら俺を睨みつけると、
ジュ「ぃ・・ぃひゃい・・・」
こうして見ると、どこにでもいる感じの五歳くらいの男の子に見える。
シ「お前も噛んだだろ?お互い様だ。そんくらい我慢しろよ。男だろ?それに、血は出てねぇから大丈夫だ。」
俺はそう言いながら青い腕輪を外して紐に通すと、今度は黄色い腕輪を右腕に付ける。
ジュ「でも、まだ勝負は終わってないっ!!」
ボワワワワワァン。
白い煙がジュンの体を包み込み、また『戌』の姿になったジュンが現れる。
ジュ「らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
雄叫びを上げながらジュンがまた噛みつこうとしてきた。俺はその場から動かず、ゆっくりと雷を纏った右手を前に突き出す。
ジュ「!!」
ジュンが良い子かどうか分からねぇけど、「良い子は急には止まれない。」とゆうお約束で、ジュンは俺の右手に容赦なく衝突した。今の俺の右手には黄色い腕輪を付けたため雷を纏っている。もちろんジュンは、
ジュ「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
感電した。
ボワワワワワァン。
白い煙と黒い煙がジュンの体を包み込み、茶色い短髪がアフロヘアーになり、所々黒く焦げて破けた服を着た元の姿のジュンが倒れていた。体がピクピクと動いてるから大丈夫だ。俺は倒れているジュンの傍にしゃがみ込むと、
シ「俺の勝ちだな。」
そう言いながらジュンをゆっくり起こしてやった。ジュンはゲホッゲホッと咳き込む。
ジュ「ぼ、僕・・まだ、十二歳、なんだよ・・・て、手加減くらい、少しは、してくれたって・・いいんじゃ、ないの、かなぁ・・・?」
シ「あれ?誰だったけなぁ〜?手加減は無用だって言ったのは?話が矛盾してるぞ?」
ジュ「・・・・・」
ジュンが黙り込む。そりゃそうだ。今更自分から言った事に対して否定は出来ないからな。俺は立ち上がってジュンを背負う。ジュンは以上に軽かった。
シ「お前、ちゃんと喰ってるのか?」
ジュ「食べてるよ。ていうか・・僕、これでも、十二歳、なんだけど・・・」
シ「おんぶも抱っこも、怪我してたら年なんか関係ね
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