第110話
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いやられる。
ビオージアは自分の身体に巻きついているナニかを確認する。
それは言い例えるならタコのような足だった。
だが、それはあくまで言い例えるとしたらの話だ。
その足の内側は鋭い棘が生えており、表面は毒々しい色をしていた。
さらに、内側や表面には無数の目玉が見開いていた。
「な、なんだこれは!!!」
必死に身体を動かそうとするが、その足のせいで動かす事ができない。
そして、ふと周りに視線を移す。
その光景を見た、ビオージアは思わず息を呑んだ。
暗い海面でも分かるような巨大な影があった。
海面から自分の身体に巻きついているのと同じ足が何本もあった。
その足は『女王艦隊』に襲い掛かっている。
それは何かの神話生物との戦いを思わせるようだった。
ビオージアに巻きついていた足は海の中に引き込もる。
抵抗するが全く意味がなく、海の中に引きずり込まれる。
ビオージアはその影の正体を見た。
それは巨大な生物だった。
彼の頭にはある生物の名前が浮かんだ。
クラーケン。
海魔と呼ばれる、海の魔物だ。
だが、あれはビオージアが知っている文献のクラーケンとは、比べ物にならないくらいの狂気的な姿。
さらに、禍々しい魔力。
彼は直感した。
(勝てる訳がない。
あんな生物相手に、人間程度の存在が勝てる訳がない。)
身体に巻き付いた足はクラーケンの身体に近づくと、大きな口が開かれ、ビオージアの身体は丸ごと食われてしまう。
ビオージア=ブゾーニの意識はそこで途絶えた。
数分前。
麻生は建宮が作った橋を渡りながら、何とか建宮達に合流する事ができた。
シスター達と乱戦になりながらも、誰も殺られてはいないようだ。
麻生は能力を使用せず、先程奪った剣を使いながらシスター達を倒していく。
「どうやら、無事だったみたいだな。」
フランベルジュを片手にそう言った。
「余計な心配だ。
それより、当麻は?」
「ああ、オルソラ嬢と禁書目録と一緒に旗艦に向かったよな。」
「それなら、俺も向かう事にする。」
「駄目です。」
と、車輪を抱えたルチアが言い出した。
「貴方は敵側にとって一番の脅威です。
それが旗艦に潜入したとなれば、ビオージアがどんな行動を取るか想像が尽きません。
ですので、貴方は此処で敵の撹乱をお願いします。」
「ルチアの言う通りよな。
お前さんがこっちにいてくれれば、防御に関してはまず問題ないよな。」
二人はそう言うが、麻生自身そう悠長にしてられない。
既に能力使用時間は一〇分まで迫っていた。
さらに、他の艦隊からこちらの艦隊に向かって砲撃してくる。
危ない砲弾は麻生の能力で防いでいるが、長くは続か
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