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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話1話 水精霊に憧れて
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けて来たのは、助け起こしてくれた人だった。
「取りあえず、コレ持ってろ」
渡された物は、お母さんが大事にしていた指輪とオルゴールが入った布袋だった。
「その……なんだ。形見だからな。失くすなよ」
私は布袋を抱きしめ、また泣いた。
「まあ、……今は泣けるだけ泣いとけ」
その人はそう言って、私の頭を撫でてくれた。
あれから、一週間と少し経った。私達は一カ所に集められ、テントに住まわされた。あまり美味しくないが、ご飯を貰えるだけで幸せだろう。何も考えずフラフラと歩いていると、話し声が聞こえた。
「61人か、……流民の対処をシルフィア様は如何するんだろう」
「まだ生き残りが居ないか捜索中だ。実際に昨日2人発見されて、こちらに護送中だ。」
「幸い人手が欲しい所は、いくらでもある」
「しかし再教育しないと、ドリュアス領では足を引っ張るだけだぞ」
この人達は、私達を如何するか話しているみたいだ。その時、黒髪の男の子が目に入った。私はその男の子に、何か違和感を感じ後を付けてみた。
(あれ? こっちに来たはずなのに……何処に行ったんだろう)
キョロキョロしていると、不意に声をかけられた。
「こんな所で何しているの?」
声をかけて来たのは、黒髪の女の人だった。
「男の子、いたから……」
嘘を吐く理由が無いので、正直に答える。
「黒髪の子?」
「……うん」
「それならギルバートね。私はギルバートのお母さんでシルフィア。貴方のお名前は?」
「ディーネ」
「お父さんとお母さんは?」
「もういない」
「っ!! ……兄弟はいる?」
私は首を横に振る。
「親しい大人の人は?」
私はまた首を横に振る。するとシルフィアさんは、近くに居た男の人に「他に孤児が居ないか調べなさい」と言った。
「今からギルバートの所に案内してあげる」
手を引かれて行った先に居たのは、先程の男の子だった。
「ギルバート。しばらくこの子と遊んでなさい」
男の子は頷くと私の前に来た。
「遊んであげる」
男の子がそう言って来た。しかしどう見ても、私の方が年上だ。
「私はディーネよ。お姉さんが遊んであげるの」
私は胸を張って言い切ってやった。
「えっ。……女の子?」
私はあんまりな発言に、ギルバートを睨みつける。一方でギルバートは、苦笑いをしながら私から目を逸らした。
私の今の格好は、赤黒く変色したボロボロの服と埃まみれのボサボサの髪。おまけに、顔は泥で汚れていた。
(たしかに酷い恰好をしているけど、男の子に間違うのはあんまりだと思う)
ギルバ
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