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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話1話 水精霊に憧れて
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。自然と必要な荷物の量も増える為、体力の無い者はたどり着けない可能性が高い。

 二つの領の状況も考慮しなければならない。ドリュアス領は現状人手不足で、職を持てる可能性が十分にある。一方でモンモランシ領は、これと言った話が無い。恐らく流民では、職に就くのは難しいだろう。

 元々魔の森が近い王領など、抜け出せるなら早々に抜け出している。浮浪者になるリスクと、この地に残るリスクを比べ、この地に残った人達なのである。加えて今の現状は、ここに居る殆どの者が無一文状態だ。結果殆どの者達が、ドリュアス領へ向かうと口にしていた。

 結局私達も含め、94人中86人がドリュアス領に向かう選択をした。

 村長は足の速い者を見つくろって、ドリュアス領の関所まで現状を知らせに行くよう指示した。これで上手く行けば、ドリュアス領から助けが来てくれる。

 最初の内は、亜人に襲われる心配はあまり無かった。実際問題、道沿いに居れば亜人は滅多に襲って来ないのだ。危険なのは果物を取りに魔の森に入る時と、夜間に火を焚いた時位だ。

 初日は亜人に襲われる事無く終わってくれた。

 2日目は森の中で、昼に小型の亜人であるゴブリンに出くわした。数は3体。恐らく斥候の類だろう。そうなると、早々にこの場を離れなければならない。ゴブリンの本隊に出くわしたら、全滅は決定した様なものだ。夜通し歩いてでも、遭遇地点から距離を取らなければならない。

 3日目は午前中の内に、ゴブリンの斥候に森の中で3回も出くわした。出くわす度に1人2人と、人が減った。街道に居る時は、森から顔を出すだけなので襲っては来なかった。もしかしたら、本隊が近いのかもしれない。

 そして昼過ぎ頃、終にゴブリンの本隊と出くわしてしまった。ゴブリンの群れは、少なく見積もっても30匹はいた。ゴブリン達が現れたのは、後方だったので全員関所に向けて走った。しかし、ゴブリン達の方が足が速く、距離はあっという間に無くなってしまった。そして足の遅い者から順番に、ゴブリンの凶刃にかかって逝く。

 私は最初はディーネに併走していたが、追いつかれると判断するとディーネを抱きかかえ走り出した。少しだけ距離を稼ぐ事が出来たが、体力は有限だ。足の動きがすぐに鈍くなる。気力だけで、身体を支え少しでも早く足を動かそうと努力する。

(この子だけは死なせない!! 絶対に!!)

 その時、前方に空を飛ぶ物が3つ見えた。

(あれは……グリフォン? 人が乗ってる。騎獣だ!! ドリュアス領から助けが来たんだ!!)

「あっ」

 その刹那、気を抜いてしまったのがいけなかった。私は足をもつれさせ転んでしまった。なんとかディーネをかばい、左肩で地面に着地する。

「つ。ぐぅ。……くぅう」

 激痛が走るが
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