暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話1話 水精霊に憧れて
[1/21]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 僕の名は、エドモンド・チャップマン。英国の片田舎で至極平凡な人生を送って来た。父が海外ブランド輸入販売の企業を経営しているので、今はその手伝いをしている。5人兄弟の末っ子なので、後を継げと言われる心配も無いから気ままな人生を送ってきた。そんな僕にも大切な趣味がある。

 そう僕は物語(ファンタジー)が好きだ。

 今でもハッキリと思い出せるが、子供の頃に親に連れて行ってもらった劇が原因だ。

 その劇は、戯曲「オンディーヌ」

 始めて見た舞台劇を、僕は本当に面白いと思った。

 初めは外国(フランス)の劇など、見ても理解出来ないと思っていた。しかしそれは、大きな間違いだった。

 俄然興味が出てきた僕は、色々と調べてみた。出てきたのは、元ネタとなったドイツの「ウンディーネ」と言う物語だった。

 父の部下が英訳された物を持っていたので、お願いして読ませてもらった。そして読み終わった頃には、僕はすっかり物語(ファンタジー)の世界に魅せられていた。

 すっかりハマってしまった僕は、原文読みたさにドイツ語を勉強し始めた。最初はもっと別な趣味をと言っていた父や兄弟達も、原文を読破した時点で認めてくれる様になった。

 メジャーな物からマイナーな物まで、かなりの量を読んだ。僕のお気に入りで有名なのが、アーサー王伝説・指輪物語・ケルト神話等だが、グリム童話に関しては、色々な意味で驚愕させられたし“あれは児童書じゃない”と断言する。あれは物語の内容だけでなく、新旧版の比較で楽しませてもらった。内容がメルヘンかつマイルドに変わって行くのが、時代の流れを感じさせる。

 舞台となった土地が近い物は、実際に足を運んだりもした。物語の雰囲気を、体で直に感じるのが楽しかったのだ。

 だから僕は胸を張って言えるだろう。

「僕の趣味は、読書と旅行だ」……と。

 そして僕をこの趣味に目覚めさせたフーケの「ウンディーネ」は、僕にとって特別な物だった。



 この日は、ある物語の舞台となった土地目的に旅行に出ていた。

 本来なら楽しい旅行になるはずだった。しかし今回の旅行は、初めからケチのつきっぱなしだった。

 空港で荷物を盗まれ、ようやく手元に帰って来たと思ったら、旅行かばんはズタズタで中身が半分以上無くなっていた。(幸い貴重品は、肌身離さず持っていた為無事だった)同情したのか旅行代理店の人が、キャスター付きの大きなアタッシュケースをくれたので助かった。

 しかし不幸は、それでは終わらなかった。旅行代理店のミスで、ホテルが物凄くボロい所に変わってしまったのだ。しかし荷物が無くなった時に良くしてもらったので、あまり文句を言えなかった。

 更にはタクシーが突然来れなくなり、バスを乗り継ぎ歩いて目的
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ