第155話 悪霊退治
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ト「妖霊王様ッ!!」
トーヤはスクッと立ち上がり、右膝を着いて頭を下げる。私とフレイも戸惑いながらトーヤの真似をする。「王」って呼ばれるくらいだから、妖霊界では一番偉い存在なんだろうな・・・
妖「まず、頼みを達成してくれた事に感謝する・・・」
ト「ありがとうございます。」
マ&フ「あ、ありがとうございます。」
すごい緊張しているのが自分でも分かった。
妖「トーヤ・ファイン、『時止めキューブ』をまた放り投げるのじゃ。」
ト「はい。」
トーヤは『時止めキューブ』を取り出して、宙高く放り投げて、見事にキャッチッ!!すると、今まで止まっていた『時』がまた動き出した。いつの間にか『時止めキューブ』と『裁きの縦笛』は消えていた。
妖「トーヤ・ファイン、命の危機にも恐れずに、頼みを引き受け、達成してくれた事にもう一度感謝する・・・」
ト「ありがとうございます。妖霊王様。」
妖「うむ。そしてトーヤ・ファインの『良き友』達よ・・・」
マ&フ「は、はいっ!!」
まだ何も言われていないのに、私もフレイもすごく緊張している。鼓動がどんどん早くなるのが分かった。
妖「命の危機にも恐れずに、トーヤ・ファインを支えてくれた事に深く感謝する・・・」
ト「僕からも、ありがとうございますっ!」
トーヤは立ち上がり、私とフレイの方に体を動かすと、深く頭を下げた。後ろで妖霊王が満足そうに頷いていた。
妖「このご恩はいつか恩返しをする。その時には、トーヤ・ファインの『良き友』達を招待しよう。」
ト「ありがとうございます。妖霊王様。」
恩返しって、どんな事をしてくれるんだろう?あ、そういえばまだお礼を言ってなかった。私はトーヤの横に並ぶと、
マ「えっと、妖霊王様ッ!さっきは助けてくれて、ありがとうございますっ!!」
私は巨大な『ローア』から助けてくれた事に感謝して頭を下げる。
ト「僕も!ありがとうございますっ!妖霊王様ッ!!」
フ「お、俺も!ありがとうございますっ!!」
トーヤももう一度頭を下げて、フレイも私の隣に来て頭を下げた。頭を下げたままだけど、妖霊王様がニカッと笑ったのが分かった。
妖「トーヤ・ファインよ、これからも『良き友』達を大切にするのじゃぞ。」
ト「はいっ!」
妖「そして、トーヤ・ファインの『良き友』達よ、これからも、トーヤ・ファインをよろしく頼む。」
マ&フ「はいっ!!」
妖「それでは、さらばっ!」
黒いマントをひるがえしながら、妖霊王様は光と共に消えちゃった。
マ「・・・行っちゃったね。」
フ「あぁ。」
ト「ですね。」
私たちはしばらくその場に立ち竦んでいた。
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