GGO編ーファントム・バレット編ー
60.死の正体
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かって、『お前ぇはそいつと戦うなよ。どれを援護していいか解らなくなっからな』と真顔で言った。
そしてもう一人が、赤。と言っても全身ではない。眼と髪を真紅にカスタマイズし、フードマントにも赤い逆十字を染め抜いた刺剣使い。
俺が回線直後に剣を交えたのはそいつだ。後方に引く間際に『いつか、殺す』と言い残し、戦後処理中に俺に名を教えようとしたのはそいつだ。
そして、一年半の時間と異世界の壁を隔てて俺の前に現れた《死銃》.....その名前は........
「《ザザ(XaXa)》」
口から零れたその短い音が、今まさに心臓を貫かんとする鉄の軌道を狂わせた。
胸を浅く抉り、後方を抜ける刃の感触を意識することなく、言い続けた。
「《赤眼のザザ》。それがお前の名前だ」
直後。
俺の後方から飛来した一条の赤いラインが、死銃のフードの中央を音もなく突き刺した。
実弾....ではなく、照準予測線。シノンだ。その瞬間、俺は彼女の真意を悟る。これは予測線の攻撃。彼女の経験と閃き、そして闘志がつぎ込まれ放ったアタック。幻影の一弾(ファントム・バレット)。
あいつは、俺のことを知り尽くしていた。俺以上に俺のことを。片手剣から槍へと入れ替える時に無意識的に《槍剣》の時の癖で右に片手剣、左に槍に持ち替えることをやつは知っていた。あいつはこの一瞬を待っていたんだ。......暗剣の破壊というこの一瞬を。
少し顔をあげ観るとそこには、一歩一歩徐々に近づいてくるやつの姿が。その眼はより一層赤みを増したように見える。
暗剣を破壊された今、銃で戦いあってもやつと勝てる可能性は、皆無だ。
空は真っ暗となり何も見えない。左手で握りしめたデザートイーグルを死銃に向けようとする。すると空を赤い幻影が一直線に伸びる。その幻影は、死銃の体を貫く。
その赤いラインが、シノンの予測線だということは考えるまでもなくわかった。それは彼女の実体無き攻撃。幻影の一弾(ファントム・バレット)。
だが、やつはその歩みを止めることなく俺に近づいてくる。
(なぜだ.....?)
その幻影の一弾が出てきているのに避けない。それが考えられる理由は、避ける必要がないから。
その行動に俺は忘れようとしていた記憶の断片がフラッシュバックする。
俺はこいつを知っている。
この全てを悟ったような行動と自分の有利な状況にもっていってから確実にトドメをさしにくるこの人物を。
(そうか......最初から気付いてたんだ)
最初にあの予選の前、地下で会った時に気づいていたんだ。だが、俺自身がそれはあり得ないと決めつけて選択肢から消していた。
「......そうか」
だから俺はあの時、ミサキに.......
自然と笑みがこぼれる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ