GGO編ーファントム・バレット編ー
60.死の正体
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、ログアウト機能が有効かどうか.....」
ALOの大会でも大会中に自動ログアウトは不可能。
「.....一応、アミュスフィアが脳内血流を監視してて、危険なほど脱水する前に自動カットオフするはずなんですが.......」
アスナさんがそう付け加えると、看護師は軽く頷く。
「解りました。もう少し様子を見るわ。まさか患者さんでもないのに、輸液で水分補給するわけにもいかないし」
「そう......ですね」
沈黙してしまう。その中、遅れてレイナさんが部屋入ってくる。だが、状況を即座に察したのかただ液晶パネルを見続けてるだけだ。
お兄ちゃんと集也くんは向こうの世界で戦っている。隣にいるのに。手が届く距離にいるのにそこに彼らはいない。
キリトとシュウは今、剣士としての自分を賭けて戦っている。それは私が知らないSAO時代のことだ。
(あたしに出来ること......)
「シュウなら大丈夫だよ」
中継を見続けていたレイナさんが不意に呟く。
「シュウはどんなことがあっても負けない。例えそれがチート使いでも凶器を持った奴だってシュウは負けないよ」
レイナさんが今まで中継を見続けていたのは、シュウ/集也を信じていたから。何があっても集也くんは諦めない。
『ママ、リーファさん、手を』
不意に、アスナさんの携帯端末から小さな声が聞こえた。ユイちゃんだ。
『パパの手を、シュウさんの手を握ってください。アミュスフィアの体感覚インタラプトは、ナーヴギアほど完全ではありません。ママとリーファさんの手の温かさなら、きっと二人に届きます。私の手は、そちらの世界には触れられませんが.....わたしの.....わたしのぶんも......』
言葉の後半は、大きく震えていた。
「ううん.....そんなことない、ユイちゃんの手もきっと届くよ。一緒にパパ......キリトくんとシュウくんを応援しよう」
ベッドに力なく投げ出されたお兄ちゃんの左手に携帯端末を握らせ、その上から両手で包み込むアスナさん。
私もそっと集也くんの右手を両手で包み込む。氷のように冷え切っている。
中継画面を観る。シュウくんはその足でしっかりと立っている。それを観て眼を閉じ、ただ念じた。
(がんばって、集也くん。あたしはいつも傍にいるから。支えるつづけるから)
(俺はこいつを倒すことができるのか)
地面に倒れこみ真っ黒に染まる仮想の空を眺める。HPバーは、クリティカル判定でもしたのか三分の一くらい削られている。その瞬間、赤い幻影が体を突き刺す。横へと回転することでそれを回避し、立ち上がる。
「お前あっち(SAO)の世界よりこっち(GGO)の世界の方が向いてんじゃねぇのか」
切れ切れ
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