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とある星の力を使いし者
第108話
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ぇのか!!」

上条は叫ぶが、シスターの一人が首を横に振った。

「残念ですが、仕事に情を入れる余裕はありません。」

彼女は、その場を代表して告げる。

「あれはきっと裏返しでございますよ。
 ご本人達も気づいていないのでしょうね。
 ですけど、彼女達は確かにアニェーゼさんを認め、その下についていた方々です。
 リーダーならこれぐらい乗り越えてくれると信じているからこそ、辛く当たっているのでございましょう。
 打ち破ってくれる事を、どこかで願いながら。」

オルソラは、むしろ痛々しそうな口調で話した。
言葉に表す事が許されなかったからこそ、言葉とは違う方法で放たれたSOS信号。
想いとは裏腹に、互いを傷つけあわなくてはならない状況。
それを思って、上条は思わず強く拳を握りしめた。
呼応するように、数十のシスター達は一歩距離を詰めてくる。
敵の壁までの距離は、ほんの七メートルもない。
そんな中、ヒュン!!と上条やシスター達の頭上に小さな影が走った。
見上げれば、一〇メートルぐらいの高さを飛んでいるのは、投げられた馬車の車輪だ。
バン!!、と車輪が勢い良く爆発した。
それは上条やインデックス、オルソラだけを避ける奇妙な軌道を描いて、大量の木の破片を真下へ突っ込ませた。
文字通り破壊の雨だ。
シスター達は武器や術式を使ってこれを防ごうとしたが、それでも全体の隊列が大きく揺らぐ。

「こちらへ!!」

叫び声に振り向けば、別のルートからこの船に渡ってきたルチアとアンジェレネがいた。
ルチアが使う魔術は聖カテリナの『車輪伝説』をモチーフにした物で、木製の車輪を爆発させ散弾銃のように数百という鋭い破片を飛ばすという物である。
また破片はルチアの号令一つで元の車輪に再生させる事が可能。
彼女達のすぐ後ろは甲板の縁で、そちらには木で作られた橋が隣の船へ接続されている。
その直後だった。

「第四一番艦は至急退避、不可能なら海へ!
 本艦隊はこれより前述の船を沈めたのち、再構成し直します!!」

周囲に緊張が走った。
船の詳しい番号は知らないが、おそらく狙いはここだ。

「早く!!」

ルチアが橋へ誘導するように叫んだが、その時怯んでいたシスター達が一斉に動いた。
逃げる為でなく、上条らを逃がさないためだ。
複数のシスター達が一つの生き物ように上条達を包囲する。

「この・・・馬鹿者どもが!
 それだけの度胸があるのなら、なぜシスター・アニェーゼを助ける為に動けないのですか!!」

ルチアが手をかざすと、周囲に散らばっていた木の破片が集まって車輪の形を取り戻す。
彼女らが戦闘状態に入る前に、砲撃音が炸裂した。
稲妻のような轟音と共に、すぐ近くにいた護衛艦が砲弾を撃ち込ん
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