暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第24話 木の精霊
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るようですが、絶対では無い様です。長い時間をかけて、沼の水が少しずつ大樹を侵しているのでしょう。

「精霊が姿を見せないのは、顕現(けんげん)するだけの余力が無いか、少しでも力を温存したいからではないでしょうか?」

 私は後者だと予想しています。理由は魔の森が拡大を続けているからです。前者ならば、魔の森の拡大は止まっているでしょう。父上も確認すると同じ考えに至ったのか、私の方を見て大きく頷きました。

(父上。ここは任せていただけませんか)

 私がアイコンタクトをおくると、父上は頷いてくれました。私は大樹に手を触れ、見上げるような姿勢で口を開きました。

「木の精霊よ……沼の水を浄化するのに、魔法を使うのを許してほしい」

「なっ!?」「え?」

 私の言葉に、エディとイネスが驚きの声を上げました。父上は予想通りと言った感じで、目を閉じて笑いを押し殺していました。

 2人の考えは良く分かります。このまま放っておけば、大樹は枯れ精霊は居なくなるのです。それに、枯れかけていると言う事は、かつての強大な力を振う事は出来ない為、討伐する事も可能でしょう。それなのに、態々助ける理由は無い。と、普通なら考えるでしょう。

 この考えは、戦略的に見れば正しいです。しかし、ドリュアス家の関係者としては、決して正しいとは言えません。相手が強大な力を持つ精霊ともなれば、そう考えてしまうのも無理ありませんが……。

 暫く待つと、風も無いのに大樹の枝葉が葉鳴りの音を立てました。それと共に、森からの視線に含まれる殺気と敵意が和らぎます。精霊からの許可が出たとみて、間違い無いでしょう。また、エディとイネスも落ち着き冷静になったのか、恥ずかしそうにうつむいていました。

「許可が出たと見て間違いないでしょう。ならば役割分担を決めて、早々に浄化を終わらせてしまいましょう。父上よろしいですか?」

「かまわん。こう言った事はお前の方が詳しい。この場を見事指揮して見せよ」

(これは期待に応えなければなりませんね)

 私は大きく頷くと、ハルケギニア向きの説明を始めました。

「本来なら水はそれ自体に、自らを浄化する能力が有ります。しかしそれには、風の力(酸素)を取り込む必要があるのです。本来なら、水は流れる事により風の力(酸素)を取り込みます。しかしこの沼は、流れ込む水も流れ出る水もありません。これは水源に問題が有ると見て間違いないでしょう」

 エディとイネスは不思議そうな顔をしていましたが、私が補足説明をいくつか入れると、ようやく頷いてくれました。説明って難しいです。エディとイネスは、私の知識に驚きを隠せないようですが……。

「水の流れを復活させても、沼の水は(よど)み過ぎています。そして澱みが沈殿して、
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