暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第24話 木の精霊
[3/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
小島が在るそうです。その小島に大きな大樹が、ドンと鎮座していると情報がありました。(そんな怪しい場所、今まで調べなかったのでしょうか?)私はそう思い父上に聞こうとしたら、父上が先に口を開きました。

「当然そのような場所は、過去の調査隊が真っ先に調べている。その場所にこだわった者も、決して少なくは無い。前任であるクールーズ家の、アラン・レイ・ド・クールーズもその1人だ。しかしその場所は、亜人は居ないが幻獣や魔獣が多く下手な事が出来ないのだ。だから過去の調査隊は隠れて近づき、ディティクト・マジック《探知》で入念に調べたそうだ。だが、結局何も出なかった。相手が精霊ともなれば、当然の結果と言えるがな。……しかし、あの場所に精霊が居るとは、とても信じられん」

 父上の最後の言葉が多少気になりますが、精霊の力は《探知》では解らないのです。これは精霊の力を、人間が知覚出来ないからと私は考えています。そうなると過去に調査した人達は、全て無駄骨だったと言う事になります。私は頭が痛くなりました。

 いったい魔の森は、どれだけの物を呑み込んで来たのでしょう? 土地・国の富・民や優秀な人材。数え始めれば、キリがありません。それら全てが、一部の権力者達のくだらない欲から始まったと思うと、やるせない悲しみと怒りを覚えます。



 そして、いよいよ出発の日を迎えました。おかげ様で早朝から騒がしく、寝坊せずに済みました。

 交渉に向かうのは、私と父上そして守備隊から護衛としてヒポグリフ騎兵の男女2名です。男の方の名前は、エディで風のメイジです。女の方の名前は、イネスで水メイジです。実力は、2人ともラインクラスと聞いています。本当はもっと護衛を増やしたかったのですが、あまり大人数になると精霊に警戒されると判断しました。

 父上は、母上と長めの抱擁を交わしています。護衛役の2人も、30人近い仲間に囲まれていました。私も出発の挨拶をしようと、ディーネとアナスタシアに目を向けますが、そっぽを向かれてしまいました。(うっ……。ちょっと悲しい)そうこうしている内に、父上が母上との挨拶を終え、全体への出発の挨拶と号令をかける様です。

 ドリアード侯爵の顛末(てんまつ)は、既に全員が知っています。その所為か、一様に真剣な表情をしていました。士気も高いです。

「我々をこれより、木の精霊と交渉をする為に森へと入る。かつて、一部の強欲な者達の所為で精霊を怒らせ、精霊の森が魔の森と化してしまった。我々は人間の過去の過ちを清算し、精霊と共存しなければならない。皆、私に……ドリュアス家に力を貸してほしい」

 守備隊員達は、父上の宣言に敬礼で返します。

「護衛の2名は、騎獣に乗り込め」

 エディとイネスが、それぞれのヒポグリフに乗り込みます。私も父
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ