暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第24話 木の精霊
[14/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
洞窟か……」

 父上の口から声が漏れました。危険な魔物は居ないとの事なので、ライト《灯り》を使い洞窟の中に突入します。意外に奥行きは無く、すぐに底に到着しました。

「……ほう。なつかしき客が来たものだ」

 突然洞窟の中に声が響きました。

「土の精霊よ。最後に会ってから、数えるのも愚かしいほど月が交差したな。それより、この者の頭の中を覗くがよい。面白い物が見れるぞ」

「……へ?」

 水の精霊(分霊)の言葉に、私はとっさに反応出来ませんでした。足元から岩の柱が、せりあがって来て私の体を挟んで固定します。そして動けない私の肩に、直径3サントほどのクリスタルが突き刺さりました。

「痛い!! イタッイタタタッ!! 痛いって!!」

 父上に助けを求めようとしましたが、愕然として固まっていました。

「ほう。重なりし者よ。なかなか面白い頭の中身をしているな」

 土の精霊が呟くと、クリスタルが引き抜かれ、身体を固定した岩の柱も無くなりました。私は急いで《癒し》を自分にかけました。

「頭の中身を覗く度に、何で刺されなければいけないんですか?」

 私の涙声の質問に、土の精霊は答えてくれました。

「頭の中身を覗くには、その者の体内にある体液に触れなければならないからだ」

 私は土の精霊の答えに、ガックリと肩を落としてしまいました。父上が私の背中を、ポンポンと叩いてくれたのが余計悲しみを誘いました。

「木の精霊の救済は、我も協力する」

 土の精霊が協力を約束してくれましたが、素直に喜べないのは何故なのでしょうか?

「実行する」

 土の精霊の呟きと共に、地面が激しく揺れ始めました。私と父上は立っている事が出来ずに、手をついてしまいます。洞窟崩落するかもと、本気で心配しましたが少しすると揺れが収まりました。

「水の精霊から木の精霊まで、地下水路を通した。後は水の精霊の仕事だ」

「では、こちらも実行する」

 水の精霊(分霊)が呟きます。地下水路に水を通すだけなら、終了まで私たちが知覚出来る事はないでしょう。……そう思っていました。

「ドカァァァァーーーーーン!!!!」

 突然外から爆音が響きました。私と父上は急いで外に出ました。そこには、巨大な水柱が立っていたのです。位置的には、精霊の木がある辺りでしょう。水柱は夕日のオレンジ色の光を受けて、見た目は結構綺麗でした。

「……力加減を誤った」

 水の精霊(分霊)から、不吉な呟きが漏れました。父上はまたフリーズしています。

「木の精霊は、……大樹は無事なんですか?」

 私は水の精霊(分霊)を問い詰めましたが、答えは返って来ませんでした。

「帰る。分霊を解くとこの身体は、単なる者が
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ