暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第24話 木の精霊
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「精霊との交渉には私が行きます」
一瞬だけ場が静寂に支配されました。そして次の瞬間には、予想通り全員から猛反対されました。かなりのプレッシャーを感じますが、ここで発言を撤回する訳には行きません。
「私の魂の話はしましたね?」
ここで全員が口を閉じました。
「私の魂を融合させたのは、大いなる意思であると話しましたね?」
私の確認に、全員が沈黙を持って答えました。
「大いなる意思とは、先住……いえ精霊魔法を使う者達にとって、神に等しい存在です。当然精霊にとっても、無関係ではないでしょう。大いなる意思の加護がある私が行く方が、交渉の成功率は圧倒的に高いです。交渉が失敗した時の、安全に帰ってこれる確率も同様です」
加護云々は、ハッタリと言って良いでしょう。ですが、完全に嘘と言う訳でもありません。必要なら私は、頭の中身を全て精霊に晒す覚悟があります。私の予想が正しければ、精霊は大いなる意思の「この滅びゆく世界に、運命を変える一つの因子たれ」と言う言葉に、態度を軟化してくれるはずです。上手くすれば、全面的に協力してくれるかもしれません。
「分かった。今回に限りギルバートの同行を許可する」
私の言葉に、父上が最初に折れました。ディーネとアナスタシアが、父上に非難の視線を向けます。しかしそれも長くは続きませんでした。
……原因は母上です。
「ならば私とギルバートで行きましょう」
「ならん!! 行くのは私とギルバートだ!!」
母上の言葉に、父上が即座に反対します。父上と母上は、睨み合いを始めてしまいました。ディーネとアナスタシアは母上が交渉派になり、誰が行くかに論議が移ってしまったので蚊帳の外です。2人仲良く、私を睨んで来ました。(私は悪く無いと思うのですが)
結局この日の家族会議では、父上と母上のどちらが行くか決着がつきませんでした。
次の日の朝食時に、父上から「交渉は、私とギルバートが行く事になった」と話がありました。父上の顔はゲッソリしていて、更に青あざと引掻き傷そして……大量のキスマークがついていました。母上を見ると、妙に肌が妙につやつやしています。
(……父上。寝技に持ち込んだな)
ディーネとアナスタシアは、あの母上が大人しく引き下がったと言う不可解な状況に、しきりに首をひねっていました。
(そのままのあなた達でいてください)
私と父上は、精霊との交渉の為の準備を整えました。月は何時の間にか変り、
7月
(
アンスール
)
に突入していました。精霊の居場所については、手記に記されていた内容と王都で手に入れた地図を照らし合わせ調べると、なんとか判明しました。
その場所は森の中で唯一開けた場所で、小さな沼が在り沼の中心に
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