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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第179話】
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早く反応したのはセシリアだった。

 ……てか一週間俺の事ばかり言ってたのか……通りでくしゃみがよく出ると思った。


「ふふっ、お嬢様。 何もそんなに恥ずかしがらなくても――」

「ちぇ、チェルシーが妙な事を言うから……!」

「へぇ……。 セシリアが砕けた物言いしたところ見るの、初めてだな」


 そう俺が言うと、ハッとした表情になり、直ぐ様咳払いすると照れ隠しの為かくるりと後ろへ向いた。


「ふふっ、お嬢様ったら。 ――有坂様、一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?」

「……? 内容によりますけど、良いですよ?」

「ありがとうございます。 お嬢様は、私の事を有坂様になんと?」


 そう告げるチェルシーさんは、少し不安だったのか微妙に眉が下がっていた。


「へ? ……何度か聞きましたが。 ……とても良く気が利く方でメイドとしても優秀、時に自分の姉の様に優しくもあり、厳しくもあったって聞いてますね。 ――後、美人でしぐさが可愛い」

「まあ。 うふふ、お嬢様が……」


 その俺の言葉に、さっきまでの不安が吹き飛ばされたのか異性同性問わずに魅力的な笑みを浮かべた。

 ふと視線を感じたのでセシリアを見るとぶすっと頬を膨らまし、此方を見ていた。

 チェルシーさんもそのセシリアの態度に気づいたのか――。


「この一週間、毎日有坂様のお話をお嬢様から訊かされていましたが……。 うふふ、有坂様、気になりますか?」


 少し悪戯っぽく笑うと、軽くウインクするチェルシーさんに図らずもドキッとしてしまった。


「ま、まあ気にならないと言えば嘘になりますからね」


 そんな俺の言葉に、セシリアはあわわっと徐々に慌ただしく表情が変化し、動揺が隠せないでいた。


「くすっ。 お嬢様から訊かされた有坂様は……」

「ちぇ、チェルシー!?――きゃあっ!?」


 慌ててチェルシーさんの口を塞ごうとするも、思わず足をとられて転けそうになるセシリアを抱き止めた。


「おいおい、慌てすぎだろセシリア?」

「あ、慌てますわよっ!? ……あぁっ、チェルシー……内緒にしてくださいな……」

「うふふ。 ……もちろん、私とお嬢様の――女同士の秘密、です」


 言って、人差し指を唇の前に持っていき再度ウインクした。

 そんなチェルシーさんのしぐさにドキッとさせられ、俺自身も彼女が魅力的な女性に見えた――。
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