第18話 第三次ダレダン星域会戦
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を聞き入れたウィッカムは、直ちに予備兵力の投入を決定した。
しかし、それこそがドロッセルマイヤーの狙いであった。
「敵は残りの予備兵力全てを中央に注ぎ込んだか……後方で待機しているザムレス、シュラートの分艦隊に命令。敵両翼を外側から叩け……とな」
「はっ!」
ドロッセルマイヤーの命により、これまで予備兵力として後方に待機していた部隊が両翼のさらに外側から襲い掛かる。
この一撃に第七艦隊の両翼は耐えられない。
「右翼、左翼共に被害甚大!」
「既に戦線崩壊が始まっています!」
「……参謀長、両翼を中央まで戻せるか?」
「損害を無視すれば出来なくはありませんが……」
「かまわん、どのみちこのままでは両翼が崩壊するだけだ! 全軍に命令、中央に集結して突形陣をとれ」
「閣下!」
「上手くいけば最小の損害で切り抜けられる。もっとも、勝敗は既に決したがな……それに、私の進退も……」
第七艦隊の各部隊は後退しつつも次第に中央に集結し、陣形を整える。
ドロッセルマイヤーはそれを目聡く見つけた。
「ん! 待て、全艦進撃中止!」
「どうされました?」
「見ろ、敵の陣形を。いつの間にか突形陣をとりつつある。中央部に突撃されたら現状では防ぎきれないだろう」
「大きな損害を出しながらも両翼を引っ込めたのはこのためでしたか……」
「敵の意図が分かった以上、それに乗ることはない。中央を固めてから改めて仕掛ければ良いだけのことだ」
ドロッセルマイヤーは敵の突撃に備えて中央を固めさせる。
が、ドロッセルマイヤー艦隊の進撃が停止した隙に、第七艦隊はこれ幸いと撤退していった。
「…………やられたな。損害が致命的にならない内に撤退する……、良い判断だ」
「追撃はどうされますか?」
「我々の任務はエルダテミアの制圧。深追いは無用だ」
こうして、第三次ダレダン星域の会戦は銀河帝国の勝利に終わった。
勝利したドロッセルマイヤー艦隊はダレダン、テルジント、アーミア、エルテピアとエルデタミア共和国所属の星系を順次制圧していった。
これにより、先のロムウェ占領と合わせて銀河帝国は遂に旧ロアキア領のすべてをその手中に収めることに成功したのであった。
==今日のアドルフ==
「く、くくっ、くくく……遂に、遂に『回想シーン強制流し装置』の復元に成功したぞ!」
「おめでとう御座います陛下。しかし、あのメイド……いや冥土に見つかれば今度もただでは済みませんぞ」
「もちろん、それに関しては抜かりない。この第二次製造計画は水面下の更に下の下、マリアナ海溝の奥深くで行ったからな。今度こそ大丈夫だ」
そう言って、アドルフは不敵な笑み
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