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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百十七話:爽やかな朝の修羅場
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「な、なんだべ、いきなり!!や、やるだか!?なんでも力尽くで済ませようとは、これだから都会もんは!!……フ、フン、やっぱり碌なもんでねえ!やっぱり、オラが正しかっただ!余所者は、信用ならねえ!カール、精々骨の髄まで搾り取られないように、気を付けることだべ!!」

 なんとか立ち上がり、ヨタヨタと逃げ去って行く理不尽お兄さん。

 なんだったんだ、一体。


 一方的に喋って消えて行った理不尽お兄さんを見送っていた私に、カールさんが気まずそうに声をかけてきます。

「……ドーラさん、済まねえ。おらたちのために化け物さ退治してくれるドーラさんに、村のもんが、あんな」
「いえ。私は気にしませんから。カールさんも、気にしないでください」

 ていうか、退治はしないんで。
 そうはっきり言い切られると答え辛いので、もうちょっとぼかして頂きたいというか。

 さっさと話を打ち切ろうとした私から、カールさんがヘンリーに視線を移します。

「……ヘンリーさん。おらは、まだ納得がいかねえけども。……ドーラさんを危ねえ目さ遭わせたら、おら、許さねえだ」
「お前に許される必要は無いが。言われなくても、ドーラは俺が守る」
「……そうだか」

 一瞬視線を落としたカールさんが、また私を見詰めます。

「ドーラさん。……気を付けてけれ」
「ありがとうございます。それでは」

 名残惜しげに見送るカールさんをその場に残し、今度こそ村を出るために歩き出します。

 ……抱き締められてた続きで、ヘンリーに肩を抱かれたままで。


「……あの。このまま、行くの?」
「歩きにくいか?なら、また抱いて」
「いや、いいです。このままで」
「そうか」
「……村を出たら、やめてよね?」
「仕方ないからな」

 ……仕方ないから、やめるの?
 今、必要があるからやってるんじゃないの?

 なんかちょっとおかしい気がするが、やめてくれるなら、まあいいか。


 とにかく、修羅場も無事に乗り切って、いよいよモモを迎えに西の洞窟、魔物の棲み処に向かいます。

 ああ、長かったけど!
 ここまで本当に長かったけど、やっと!
 やっと、モモに会える!

 いま行くから、待っててね、モモ!!
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