暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百十七話:爽やかな朝の修羅場
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
おら、そんな」

 ああ、なんという修羅場。
 やめて、私のために、争わないでー。
 みたいな。

「当たり前だ。わざとそんな真似してたら、ドーラがどう言っても許さない。わざとじゃなくても、本当なら許したくは無いが。……ドーラが、泣くからな」

 そしてまたいちいち、私にかけるヘンリーの声が……!
 なんで、そんな、甘いの!?
 そこまでする必要、ありますかね!?

 なんかもう止めないといけないのかもしれないけど、居たたまれずにまた真っ赤になる私を絶望したように見詰めて、カールさんが必死に叫びます。

「だ!!だども!!ドーラさんが大事なら、なして!!危ねえ真似さ、させるだ!!おらなら、好いた娘っ子に、ドーラさんに!!そったら真似、絶対にさせねえ!!」

 ああ。
 やっぱり、そういう感じですか。

 私が、望んで旅を、危ないこともしてるって、ちゃんと言ったのに。
 あなたが、させたくないから、させないって。
 やっぱりあなたも、そう言うんだ。


 急に冷静になって私が口を開こうとすると、それを遮るようにヘンリーが。

「俺は、ドーラを自分の思い通りにさせたいわけじゃ無い。ドーラがしたいことを出来るように、力になりたいだけだ。することもしないことも、俺はドーラに押し付けない。ドーラがしたいことをさせて、それに付き合って。危なければ、守るだけだ」

 ……なんで。

 なんでコイツは、こういうところを外さないんだろう。
 いちいちこういうことを言うから、言うだけでなく実際にしてくれるから、うっかり縋り付きたくなって。
 甘えきって、もたれかかって、一緒にいたくなってしまう。

 私は、それじゃダメなのに。

「そ、そったらこと……!いつでも、守れるとも、限らねえべ!なら、始めっから」
「絶対に安全な場所なんてあるのか?一番安全な場所に置くために、閉じ込めるのか?お前の勝手で?ドーラが嫌がっても?」
「お、おら……そったらこと……!」
「俺は、ドーラの嫌がることはしない。いつでも守りたければ、俺が強くなればいいだけだ。だから俺は強くなったし、まだ強くなる」
「う……ぐ……!!」

 澱み無くはっきりと言い切るヘンリーに対して、言葉に詰まって押し黙るカールさん。

 これは、勝負あったということでいいんだろうか。
 最初から、勝負になってなかったような気もするが。
 そろそろ私が、口を挟むべきなんだろうか。

 と、思ってると。


「は!朝からお盛んで、結構なことだべ!これだから、都会の道楽もんは!」

 え、ここで登場人物追加?

 折角収まりかけたのに、まだ拗れるの?

「カール!おめえ、余所者に頼るだけでねくて、誑されただか?やけに綺麗な男
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ