星の咎編
鳳仙花の夜
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倒れていった。
周りを見回し、短く息を吐く。
「任務完了」
そう言って顔を上げ、こっちを見ているナツ達に気づく。
宝石のように綺麗な青い目が細まった。
「見ていたのなら手を貸しなさい。私は雑魚の相手は嫌いよ」
「いあ、貸したら貸したで『私の獲物をとるな』っつーだろ、お前」
ナツの言葉に応えず、ティアはその横をするりと抜けていく。
「思ったより早く仕事が片付いたな」
「うおおおっ!暴れ足りねえ!」
「十分暴れたじゃねーか、テメー」
「雑魚の相手、嫌い」
「ルーシィ見てー、この宝石」
「キラキラして綺麗だよ」
「だーっ!勝手に持ってきちゃダメでしょ!」
「なー、腹減ったー」
それぞれ言いたい事を言う最強チームとその傘下チーム。
「宿はあと1日とってあるしな。のんびりした村だ、1泊して帰ろう」
「何言ってんだ、早く帰って次の仕事行こーぜ!」
「ん?」
エルザの言葉に反論するナツ。
そんな2人の少し後ろに立っていたルーシィは、少し前に立つ男を見つけた。
「あそこにいるの・・・ロキじゃない?」
「あれ?」
そこにいたのは、妖精の尻尾の魔導士で指輪魔法を使い、アルカと同じく週刊ソーサラーの「彼氏にしたい魔導士ランキング」上位ランカーのロキだった。
まぁティアに言わせてしまえば『女たらし』の一言で終了である。
「偶然だなぁ」
「お前もこの辺で仕事かー?」
「皆も?」
ティアはロキが好きではないらしく、ぎゅっと唇を噛みしめている。
「あ、丁度良かった!この前は鍵」
「ルーシィ!」
ファントムとの抗争の際、失くした自分の鍵を拾ってくれていた事を思い出し、ルーシィはロキにお礼を言おうとする。
が、ロキは星霊魔導士が嫌いな為、あからさまにビクッと震えた。
「じゃ・・・仕事の途中だからっ」
ロキはそう言うと逃走中の指名手配犯の様な素早さで走り去って行ってしまった。
「何よあれェ〜」
「お前アイツに何したんだ?」
「相当避けられてんな」
「何もしてない〜」
もう1度説明しよう。
ここはマグノリアから少しだけ西に行った小さな村、鳳仙花村。
東洋建築の並ぶ観光地だ。
もう解っていると思うが、近くの砦跡に住みついている盗賊団を潰すのが今回の仕事。
早く片付いた為、1泊していく事になった、のだが・・・。
「何なのよ、ロキの奴・・・」
先ほどのロキの振る舞いに不機嫌なルーシィ。
その後ろで自分の膝にとまろうとしたトンボをとまらせまいとエルザが勢いよく温泉の湯を叩き、それに驚いたトンボは飛んでいった。
「・・・ふぅ」
「あれ?ティア、もう上がるの?」
「熱いのは苦手
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