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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第2話:ハイジャック事件−2
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ゲオルグは真面目な顔をして、隣を歩く姉のことをほめちぎった。

「いたたたっ!」

直後、ゲオルグは自分の頬に走る痛みに思わず声をあげた。
痛みの原因、それはエリーゼがゲオルグの頬をつねっていることにあった。
ゲオルグはわずかに涙ぐんだ目で姉の方を軽く睨みながら、非難の声をあげる。

「いきなりなにすんだよ!?」

「あ、ゴメン・・・」

エリーゼはすぐに手を離し、ゲオルグに謝罪する。

「なんか、気が付いたらアンタのほっぺたをつねってたわ」

「照れ隠しで人の顔をつねるなよ・・・」

ゲオルグが呆れたようにため息をつく。
それからは無言で並んで歩き、玄関へと到着する。

隊舎を出るとわずかに強くなっていた風が2人の髪を少しなびかせる。
既に運転手を乗せた公用車に近づいたところで、ゲオルグはエリーゼの方を
振り返る。

「そういえば、もうすぐ恒例のオフトレツアーだけど姉ちゃんはどうする?」

「参加するにきまってるじゃない!」

「判った。 じゃあ日程が決まったら連絡するよ。 またな」

「うん。 なのはさんたちによろしくね」

ゲオルグは手をあげて別れを告げると、公用車の後部座席に乗り込んだ。
エリーゼは公用車が発進するのを見届けると、グッと大きくひとつ伸びをする。

「さてと、騒ぎの後始末をしないとね」

彼女は空を見上げてそう呟くと、隊舎の中へと戻って行った。





ゲオルグを乗せた公用車は1時間ほどで特殊陸戦部隊の隊舎へと到着した。
ゲオルグは車を降りると玄関先の階段を軽やかにのぼり、隊舎の中へと入る。
通路を歩いて行くと、すれ違う隊員たちがゲオルグの顔を見るなり姿勢を正し、
ビシッと敬礼する。
対してゲオルグの方も多少崩しているとはいえきちんと答礼する。
5分ほど歩いたところで、通路は行き止まりになり、
ゲオルグは奥のドアを開けてその中に入った。

「部隊長。 お帰りなさい」

部屋に入ったゲオルグを真っ先に迎えたのは副官のフォッケであった。
部屋の中には15人ほどの隊員が座っていて、数人が気付いたのかゲオルグの方を
振り返るがすぐに自分の前にあるモニターに目線をもどす。
この部屋は、部隊の中枢ともいえる戦闘指揮所である。

「すまんな、遅くなって。 何かあったか?」

「ええ。こちらは特に何も。
 強いて言うならウェゲナー3尉の愚痴に付き合わされたくらいですね」

フォッケが苦笑しながら言うと、ゲオルグは声をあげて笑った。

「まあ、それくらいは許してやれ。
 ウェゲナーも現場に出られずにクサり気味なんだろう」

ゲオルグが苦笑しながら言うと、フォッケは肩をすくめながら口をとがらせる。

「そ
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