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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第2話:ハイジャック事件−2
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 付けてもらうしかないんだけどな」

「言われなくとも判っている」

苦虫をかみつぶしたような顔をしていたチンクは、真剣な表情を作り直す。

「それよりもだ。 狙撃をやってる連中はどうする?
 そっちをなんとかしない限り幻影の解除はできないぞ」

「そっちは俺が倉庫に降下して抑えるよ」

ゲオルグの言葉に、クリーグが不安げな表情をする。

「一人で大丈夫ですか? なんなら何人かつけた方が・・・」

ゲオルグはクリーグに向かって首を横に振る。

「いや。 イーグルとフォックスの人員はすべて次元航行船の制圧にあてる。
 犯人の制圧と人質の保護の両方をこなすんだからそれぐらいは必要だろ。
 俺の方は大丈夫だから心配しなくていい」

「・・・わかりました」

クリーグは不満げな表情をしていたが最後には頷いた。
ゲオルグはチンクとクリーグの顔を順番に見てからその口を開く。

「じゃあ、これで行くぞ!」

ゲオルグの言葉にチンクとクリーグはそれぞれに頷いた。





「という感じですね」

20分ほどかけて話し終えたゲオルグがそう結ぶと、
ウォルフはうーんと唸り声をあげ、エリーゼはへーっと感嘆の声をあげた。

「そんなことをやってるとは思わなかったわ。 技術の勝利ってとこかしら?」

エリーゼがそう言うと、ウォルフは首を横に振った。

「いや。 それもあるだろうが、作戦立案が秀逸だったという
 側面の方が強いだろうな。
 幻影をどのように動かし、その間どの位置に本物を待機させるか。
 どのタイミングで倉庫に降下するか。
 そもそも、狙撃犯を押さえた後は制圧と救出を両立する必要もある。
 これらすべてを完璧にスケジューリングして、それを確実に実行するのは
 簡単なことじゃない。
 魔道機械の技術があればすべて解決という問題ではないだろうな」

ウォルフはエリーゼに向かってそう言うと、ゲオルグの方に向き直った。

「いや。さすがは特殊陸戦部隊だ。見事な手腕です」

ウォルフはゲオルグに向かって自分の手を差し出す。
ゲオルグは苦笑しながらウォルフの手を握った。

「ありがとうございます。ですが、そう手放しでほめられると照れますがね」

そう言うゲオルグの顔は少し赤く染まっていた。





それから30分ほど雑談をしたあと、ゲオルグはウォルフの部屋を辞去した。
隊舎の玄関へと歩くゲオルグの隣をエリーゼが並んで歩いていた。

「なんか、ああも司令に手放しでほめられてるあんたを見ると嫉妬しちゃうわ」

「いや、社交辞令も多分にあるだろ。 姉ちゃんこそほめられてたじゃん。
 さっきも言ったけど、あの混乱を収めた手際は見事だと思ったよ
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