第2話:ハイジャック事件−2
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直ぐにゲオルグの顔を見つめて問う。
ゲオルグの隣ではエリーゼも真剣な顔でゲオルグの横顔を見つめていた。
ゲオルグは苦笑して軽く頭をかくとその口を開いた。
「なるほど。 それではお話ししましょうか・・・」
ゲオルグは作戦前のことを思い出すようにして話し始めた。
時間は数時間巻き戻り、次元港に向かうティルトロータの機内でのことである。
「こういうのはどうだ?」
チンクとクリーグを前にしたゲオルグは、二人を順番に見ると彼自身の作戦案を
2人に向かって話し始めた。
「作戦目的は次元航行船の制圧。 障害は敷地外からの実弾狙撃。
この状況での最大の問題は、制圧のための人員を降下させるにあたって
どう狙撃から守るかだ」
ゲオルグはそこで一旦言葉を止めると、小さく頷くチンクとクリーグの2人を見る。
彼らは真剣な顔でゲオルグの話に耳を傾けていた。
「狙撃ってのは光学観測ができなくなれば実行不可能だ。
なら、ティルトロータを見えないようにすれば狙撃の危険は無視できる。
その上で次元航行船の近くにティルトロータを降ろせばいい」
「見えないようにするって、どうするんです?」
クリーグは訳が判らないというふうに首を傾げながら尋ねる。
すると、ゲオルグはにんまりと笑った。
「ステラさんがISの分析をずっと進めてるのは知ってるよな?」
「ええ、まあ・・・ってまさか!?」
クリーグはゲオルグが自慢げに笑う理由に思い至り、その目を見開く。
その隣ではチンクがあからさまに嫌そうな顔をしていた。
その2人の顔を見比べながら自慢げな表情を浮かべたゲオルグが話し始める。
「ISを純粋な魔道機械で発動できる装置が開発できた。
ナンバーズのISを発動できる装置がココに搭載してある」
ゲオルグはそう言って自分の背後にある装置を拳でコンと軽くたたく。
「コイツで"シルバーカーテン"を発動し、本物のティルトロータを隠し、
幻影のティルトロータと分隊の連中を作り出す」
"シルバーカーテン"という言葉にチンクが顔をしかめた。
「クアットロが知ったら怒り狂いそうだな・・・」
吐き捨てるようにチンクが言うと、ゲオルグは鼻で笑った。
「んなことは知ったことか。 どうせ奴は軌道拘置所から出られないさ」
「・・・一応、アイツは私の姉なんだがな」
チンクは小さくそう言うと、嫌悪と悲哀の入り混じったような複雑な表情を見せる。
「助けたいのか?」
ゲオルグが尋ねるとチンクは小さく首を振った。
「まさか。 だが、不憫に思う気持ちもある。肉親みたいなものだからな」
「そりゃそうだな・・・。 ま、そのへんの折り合いは自分自身で
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