第2話:ハイジャック事件−2
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労務管理関係か・・・)
部隊長は管理職である。
部下全員の管理責任を追う立場として、労務管理の仕事はおろそかにできない。
(やれる範囲でやる。 で、時間で帰る!)
決意を固めたゲオルグが勢い込んでメールボックスを開く。
次の瞬間、ゲオルグは力なく机の上に倒れ伏した。
(129通未読って・・・アホか!)
ゲオルグは内心で誰に向けたとも言えないツッコミを入れると、
身体を起こして画面を睨みつける。
しばらくそうしていたゲオルグであったが、それでメールの数が減るわけでもない。
(しゃーない、やるか・・・)
ゲオルグは肩を落としてメールの処理に取り掛かった。
1時間ほどかかって、未読メールの半分ほどを処理し終えたとき、
ふいに来客を告げる音が鳴った。
机の端の方にある小さなモニタに目を向けると、部隊長室の前に立つ
フォッケの顔が大写しになっていた。
(フォッケ? 何の用だ?)
不審に思いながらゲオルグはドアを開ける。
部屋の中に足早に入ってきたフォッケはゲオルグの机の前で姿勢を正し、
ゲオルグに向かって敬礼する。
座ったままだらしなく答礼するゲオルグに向かって、
フォッケは緊張した面持ちで話し始めた。
「お忙しいところ申し訳ありませんが、至急ということで部隊長宛に
連絡が入りましたので、お繋ぎしてもよろしいか確認を取りに来ました」
フォッケの報告を聞き、ゲオルグは顔をしかめる。
(おいおい、そんなことのために指揮所からここまで来たのか・・・って、
フォッケはそんな無駄をするタイプじゃないか・・・。だとすると・・・)
フォッケの行動に思い当たる節があったゲオルグは、鋭い目をフォッケに向ける。
「誰からだ?」
「シャドウ02です」
(なるほどね・・・そりゃ直接言いに来るはずだ・・・。
俺がそうしろって命じたんだからな・・・)
ゲオルグはひとり納得して頷き、フォッケに声をかける。
「繋げ。 ただし秘匿度はS+。 モニタは一切なしだ」
「了解しました」
フォッケはゲオルグの指示を発令所の通信員に伝達する。
するとすぐにゲオルグの端末の端に、通信があることを告げるマークが出た。
「よし、もう下がっていいぞ」
「はい」
ゲオルグの言葉に従ってフォッケは部隊長室を後にする。
フォッケの姿がドアの向こうに消えたことを確認し、ゲオルグは先ほどフォッケの
顔が現れたモニタを操作してドアをロックし、部屋の防諜装置を作動させる。
これは部屋の窓を微振動させ、物理的な盗聴を防止する装置と、
AMF発生装置を応用した魔力場の遮断による、魔法的な手段による諜報行為を
防止する装置を組み合わせたものである。
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