新しいようで新しくない使い古した日常。 「青」
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楽器が叩きたかったわけじゃない。
ただ、なんとなく、俺の居場所がここにしかない気がして。
この、馴染みのスタジオにいる。
ここなら、仲間と過ごしたこのスタジオなら、多少は落ち着ける
と、そう思って。
でも、スタジオには、誰もいなかった。
レンも、樂も、…リンも。
居るのは俺1人。
俺は独り。
なんとなく、学校に行きたくなくて、講義を初めて休んだ。
なんとなく、家にいたくなくて、無断外泊を初めてした。
スマホも電源を落としてある。
ただ、俺は臆病で。
スタジオのオーナーに一晩だけ置いて下さいと頼んだから、きっと
俺が連絡していなくてもオーナーが連絡してくれているだろう。
中途半端で嘘つきな俺は、中途半端な事しかできなくて。
講義だって、休んだだけでサボったりはしてないあたり、中途半端だ。
頭の中には色々様々な想いがぐちゃぐちゃになるけど、その全てが口から
出ることはない。
どれくらいそうしていたんだろうか。
気付けば日は傾き始めていた。
ああ、高校はもうすぐ放課後になるな、とぼんやり思った。
認めたくないのは誰だって同じ。 同じ、だと思っていた。けど…
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