アウターという存在
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状況から、彼はどうやって生還したというのか?
彼はあの瞬間、自身を【超変身】第三の化身、殲滅の焔と化した。それにより、氷槍による串刺しと、その後の土砂による物理ダメージを回避することに成功する。
しかし、土砂の下敷きとなってしまうのを防ぐ事は不可能であった。いくら殲滅の焔と言えども、数十、数百メートルも積み上げられた大量の土砂を溶かし尽くす事は出来ず、そのままでは生き埋めにより死亡が確定していただろう。
そこで彼は、残り三発全ての魔弾を合成して打ち出し、爆発させたのだ。
周りが全て土砂に埋まっている状況でそんな真似をすれば、当然自身も深刻なダメージを受ける。もしかすれば、それで死ぬ可能性さえあったが、そんなことを気にしてはいられなかった。
結果は成功。うずたかく積まれていた土砂を全て吹き飛ばし、彼は生き残った。賭けに勝ったのだ。
その代償は安くは無かったが。
「私たちに対する依頼は、ニューヨークの更地化でいいんだよね?」
「ええ。これは、合衆国からの正式な依頼でもあります。このような状況では、一体何年かければ工事を始められるのかすら分からないですから。」
土砂や破壊された建物の破片。更に、周囲の物を凍りつかせるほどに冷たい冷気を出し続けている氷。
これらを撤去するだけで、途轍もないほど膨大な時間と資金がかかるだろう。ならば、噂の【伊織魔殺商会】に、瓦礫の撤去だけでも頼めないだろうか?
これが、合衆国上層部の決定であった。
その為に交渉役として選ばれたのが、今回の事件の原因とも言える【冥王】の右腕である(【冥王】が敵を倒してくれなければ更に被害は広がっただろうというのは分かっているが、それでも”もう少し上手くやれないのか”と思ってしまうのが人間である。感謝はしているが、それだけでは割り切れない思いもあるのだ)。
「因みに、今回の依頼を受けてくれるのならば、”前に【聖魔王】様が持ちかけてきたあの計画に全面的な協力をした上で、私も参加しよう”と伝言を受け取っています。」
「へぇ!忙しそうだしダメ元話したんだけど、参加してくれるんだ!?」
この一言が、鈴蘭たちがこの依頼を受ける決め手となった。
「みーこさん、お願いしてもいい?」
「仕方ないのぅ。あまり美味そうではないんじゃが・・・。」
「うーん・・・シロップでも作る?」
「ほう!それならばよいじゃろう。」
「何味がいい?」
「そうじゃのう・・・。」
しかし、ここでジョー・ベストにとって予想外だったのが、頼りにしていた【聖魔王】がとなりの少女に丸投げしたことである。
(【聖魔王】がやるのではないのか・・・!?この女性は何者だ!?)
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