一部【スサノオ】
六章【遭遇】
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ヒトガタは零達に気が付くとゆらりと歩き出す。
「絶対に俺より前に出るなよ」
そう零へと言い聞かせ、歩み出すG。
「言われなくても…」
端まで逃げようと背を向けるとその刹那…
ガンッという鉄がぶつかり合ったような激しい金属音が鳴り響く。
零が振り向くと、そこでは両雄がすでに刃を交わしていた。
「ただのヒトガタではないな…」
大剣を易々と振り上げ一直線にヒトガタへと振り下ろす。
が、ヒトガタは右手に付いている鉄球のような結晶でそれを受け止めると、Gの頭部を掴もうと左手をのばす。
「ちっ…」
それは一瞬のやりとり。
Gはその左手を紙一重で避けるとヒトガタを蹴り飛ばす。
「エクステンド『フェンリル』!」
Gが叫ぶと剣の形状が変化し、生物的な…たてがみの揺らぐ禍々しい刀身へと変貌する。
「やはり危険だな…お前たちはっ!」
右手へと薙ぎ払う剣。
しかし、再びヒトガタはそれを再び結晶でふせぐ…はずだった。
ギャリン、という硬いものを削ぎ落とすような音と共にヒトガタの右手から肘へとかけてが消え去る。
吹き出す血飛沫。ヒトガタはその剣が危険と認識したのか、後ろへと飛び退きGと距離をとる。
しかし、間を与えずGは再び距離を詰め流れるようにヒトガタへと刃を振りおろし、薙ぎ払う。
そのすべてをギリギリで避け続けるヒトガタ。
苦し紛れに繰り出すヒトガタの攻撃は、警戒心からか先程までのキレはない。
「気が付いたか?…そう、防御は無意味だ。この刃に触れれば何であろうと喰らいつくす」
再び距離を取り、じっとヒトガタはGを見据えている。
「逃げてもいいぞ。逃げれるならな!」
地に刃を走らせながら一気に距離を積めるとヒトガタの足下から一気に振り上げる。
が、容易くそれを避けるとヒトガタは再び攻勢にでた。
避けた直後の不安定な体勢をすぐさま立て直し、ヒトガタは鋭い蹴りを繰り出す。
「なにっ…」
避けようにも、予想外の不意の一撃と振り抜いた剣の勢いを止めきれず防御が遅れる。
バキッ、という耳に残る嫌な音と共にGの左腕が力なくダランと垂れた。
辛うじて直撃は防げたものの、その代償は左腕の粉砕骨折。
重い衝撃でよろめくGとその目の前に迫るヒトガタ。
「クソが…」
しかし、少しも怯まず持ち手の柄でヒトガタの頭頂を殴り、その衝撃で前のめりになったところを膝で顎を打ち上げる。
さすがによろめくヒトガタ。
その隙を見逃さずGはエクステンドを切り替えた。
「エクステンドッ!『パンサー』!」
刀身の形状が戻ると、代わりにGの脚部の筋肉が尋常ではないほどに引き締まる。
地面を蹴ると、その瞬間Gの姿が消える。
刹那より
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