一部【スサノオ】
六章【遭遇】
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」
「君は頭が固すぎるんだよ…このネイティブエネミー達の学習能力は驚異的なものだ。ましてや、今回侵入してきたのはヒトガタだろう?なら、ナノマシンを扱える可能性は『あり得る』…そうだろう?」
ウォルターの言葉の意味を理解したのか、Gの頬を一滴の汗が流れる。
「君のその嫌な考えの通りさ。進化しているんだよG。もう僕らには手に負えなくなる時が近づいてきているんだ…」
「なら、お前が研究していたのは…」
「そうさ、ヒトガタの『進化記録』だよ。取り返しのつかない事になる前に、彼らを完全に上回る何かが必要なのさ」
すると、ポケットから一枚のチップをだし、手渡すウォルター。
「必ず、一人で見てくれるかい?他の職員に見られると困るものだからね」
手渡されたチップを見つめながら、Gは重々しく口を開く。
「あぁ。…だが、お前の御託を聞かされた程度で俺はお前への疑いを解かんぞ」
「はいはい、わかったよ。まったく…まぁ、君にもいつか僕の行動の意味が分かるさ」
もう出て行ってくれ、とウォルターはGへと背を向け解析を再開する。
「最後に一つ…」
「なんだい?」
「零…零司という人間に聞き覚えは?」
「あぁ、今日僕が担当した青年だね!彼はどこまで行けるだろうねぇ」
もくもくと解析をしながらも零の話題にウォルターの声が弾む。
「なぜ、アイツに何も教えなかった?」
一瞬の間。
ウォルターは振り向きもせず静かに答えた。
「すまないね、ウッカリしていたんだよ」
「そうか」
邪魔したな、と部屋を出るG。
それを確認すると、ウォルターは再び解析の手を止める。
「零くん…か。またフロンティアが楽しくなるねぇ」
ニィ、と歪むウォルターの口元。
その笑みは狂気に満ちたものだった…。
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