暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティア
一部【スサノオ】
六章【遭遇】
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早くヒトガタの真後ろへと姿を現す。

首を狙い刃を再び薙ぐG。
だが、それすらもヒトガタを仕留めることはなかった。

左手で軽々と刃を掴み取ると、力一杯にGを投げ飛ばすヒトガタ。

一閃、二閃とそのような攻防を繰り広げる両雄に対し、零はただポカンと眺めることしかできない。
それどころか、目の前で起きている現象すら理解できずにいた。

もはや、自信喪失などというレベルではない。
いや、自信など元からなかったのだが、更にほんの少し…ほんの少しだけあった自信の欠片すら握り潰されたような…そんな感覚だった。

「ちぃっ…」

だが、そんな戦いもいずれは呆気なく終わるもの。
この戦いも例外はなく、呆気のないものだった。

決め手はGの悪手。
相手の動きを読み違えたGはその隙を突かれ右手を引き千切られていた。

「お前…やはり只のヒトガタじゃねぇ…な」

そのまま倒れるGを追撃することはなく、ヒトガタはただGをジッと見下ろしている。

「お前…何のつもりだっ!」

Gの怒号を気にもせずヒトガタの視線がゆっくりと次のターゲットへと向かう。
そう、零に…

「ま、マジかよ…GMが勝てない奴に俺が勝てるわけ…」

一歩また一歩…Gをまたぎ、ゆっくりと歩み寄るヒトガタ。

「どうすればログアウト…くそっくそっっ」

がむしゃらに腕輪についた数多のボタンを押し続ける零。
そんな零を嘲笑うかのように、ヒトガタはゆっくりと零との距離を縮めていく。

「化け物が…」

不意に聞こえた声。
次の瞬間ヒトガタの腹部を巨大な刃が貫いた。

飛び散る鮮血。
その後ろには『両手で』剣を握りしめ突き刺しているGの姿。

弱々しく、ゆっくりと後ろを振り向くヒトガタ。

「さっさと首でもはねて俺を強制ログアウトさせるべきだったんだよ、お前は」

そう言いうと同時に、ヒトガタを蹴って突き刺した剣を引き抜くG。
そのまま、ヒトガタは力なく倒れこむ。

「あ、え?」

訳もわからず、腰が抜けた零はその場にぺたんと座り込んだ。

「なんで?えっ…左手…右手もえっ?」

「説明は後だ」

すっとんきょうな声を出す零に構わず、Gは剣を振り上げる。

「さっきの復習だ。覚えておけ…こうやってトドメを刺すんだッ!」

勢いのままに、剣を降り下ろすとその刃はヒトガタの頭を切り裂き顔面の結晶を粉々に砕いた。

一瞬の痙攣の後、ピクリとも動かなくなるヒトガタ。

「まったく、手こずらせやがる」

完全に沈黙したヒトガタの体を蹴り飛ばすと、Gは零へと歩み寄り手を差しのべた。

「あ、す、すいません…」

Gの手を借り立ち上がる零。

「その、何で…」

「無くなった
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