暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第177話】
[2/3]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
せた。
「これって……確か、今月出来たばかりのウォーターワールドの前売り券じゃない」
「あぁ、今日友達に会ったときに貰ったんだよ。 でもよくよく考えると五枚も貰っても余るからな。 セシリアは帰国……てか帰省してるし、美冬も今家に戻って大掃除中だしな」
終業式が終わった次の日に、セシリアが帰省したのだが……セシリア的には帰省せず、日本に滞在したままでいようと思っていたらしい。
でも流石にそこは説得し、向こうの友達やら墓参りやらしてこいと俺が言うと、名残惜しそうに返事をしたのが印象に残っていた。
……何だかんだでほぼ毎日セシリアと居たから、寂しくないと言えば嘘になるが……直に会えると思えば。
そんな風にセシリアの事を思い出してると、渡されたチケットを見ながら鈴音がもじもじとしつつ――。
「だ、だからって、何であたしにくれるの……? そ、それも二枚も……。 ……も、もしかしてさ、アンタ……あ、あたしをデートに……誘ってる……の?」
「へ?」
鈴音の突拍子の無い言葉に、俺は気の抜けた声で返事が出た。
……何処をどう勘違いしたらデートに誘ってる様に見えたのだろうか?
……しかし、今の鈴音は普段のギャップ差で可愛く見えるのは何故だろうか?
「い、いや……俺が鈴音をデートに誘っても、お前断るだろ? 一夏の事、好きなの知ってるし」
「……そ、そうね。 も、勿論アンタが誘ったとしても……こ、断る……わよ……」
「……?」
最後の方は歯切れが悪く、言い終わるや前の未来よろしく、頭をわしゃわしゃとかきむしっていた。
「……何にしても、そのチケット使ってさ。 一夏を誘えよ? ……たまには鈴音からアプローチしないとな? あいつ、お前の事も幼なじみって言ってる割には全然構わないし」
「……わかった。 ヒルト、ありがとね? ……ね、ねぇ?」
「ん?」
「と、当日さ。 ……もし、もしだけど……アイツが来ない時はアンタに合流しても……いぃ……?」
遠慮がちにそう告げる鈴音は、まるで弱々しい小動物の様な印象を受けた。
「……あぁ、勿論構わないぞ? 遠慮なく合流しな」
「そ、そうね。 ……じゃあ、明日一夏を誘ってみる。 ヒルト、ありがとね? いつも気を使ってくれてさ。 ……でも、あんまりアタシに優しくしてるとさ……か、勘違いしちゃうからねッ!!」
最後の言葉が大声で駅周辺に響き渡り、ハッとした表情になるや一気に顔が真っ赤に染まり、脱兎の如く寮への道を走って鈴音が去っていった。
「……勘違いって、何を勘違いするんだ?」
鈴音が言っていた勘違いの意味がわからず、首を捻る。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ